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理由で解く 臨床医学各論

Q0216 肝・胆・膵疾患

出典:鍼灸 第29回(2021) 問題69
問題
非代償性肝硬変でみられる血液検査所見はどれか。
選択肢
1 総ビリルビン値低下
2 血小板減少
3 プロトロンビン時間短縮
4 アルブミン値上昇
解答
正解2(血小板減少)
解説
✗ 1. 誤り
総ビリルビン値低下
非代償性肝硬変では総ビリルビン値は上昇する(低下ではない)。 肝でのビリルビン代謝(抱合・排泄)が障害されるため高ビリルビン血症となり、黄疸が出現する。 総ビリルビン2.0mg/dL以上で黄疸が顕性化し、眼球結膜の黄染として認められる。
✓ 2. 正しい
血小板減少
非代償性肝硬変では血小板減少がみられる。 門脈圧亢進による脾腫(脾機能亢進症)で血小板が脾臓に捕捉・破壊されるため減少する。 また、肝臓でのトロンボポエチン(血小板産生を刺激するホルモン)産生低下も一因となる。 血小板10万/μL以下は肝硬変を示唆する重要な検査所見である。
✗ 3. 誤り
プロトロンビン時間短縮
非代償性肝硬変ではプロトロンビン時間は延長する(短縮ではない)。 肝臓での凝固因子(フィブリノゲン、プロトロンビンなど)の産生が低下し、出血傾向をきたす。 PT延長は肝予備能低下の鋭敏な指標であり、Child-Pugh分類の評価項目の一つでもある。
✗ 4. 誤り
アルブミン値上昇
非代償性肝硬変ではアルブミン値は低下する(上昇ではない)。 肝臓でのアルブミン合成が低下するため低アルブミン血症となり、膠質浸透圧低下により腹水・浮腫が出現する。 アルブミン3.5g/dL以下で低アルブミン血症と判定される。
ポイント
  • 非代償性肝硬変の検査所見は「上がるもの」と「下がるもの」を整理して覚える。上昇:ビリルビン、γ-グロブリン、アンモニア。低下:アルブミン、血小板、コリンエステラーゼ。PT時間は延長する。
  • Child-Pugh分類(ビリルビン、アルブミン、腹水、脳症、PT時間の5項目)で重症度を評価することも併せて理解しておくこと。
  • 門脈圧亢進症の三徴は脾腫・食道静脈瘤・腹水であり、血小板減少は脾腫に伴う所見である。
  • 重要用語: 血小板減少, 脾機能亢進, 低アルブミン血症, プロトロンビン時間延長 を正確に理解しておくこと。
比較表
検査項目 非代償性肝硬変での変化 機序
総ビリルビン 上昇 ビリルビン代謝障害
血小板 減少 脾機能亢進、トロンボポエチン低下
プロトロンビン時間 延長 凝固因子産生低下
アルブミン 低下 肝でのアルブミン合成低下
γ-グロブリン 上昇 免疫異常
コリンエステラーゼ 低下 肝合成能低下
アンモニア 上昇 肝での解毒能低下
解説画像
鍼灸 第29回(2021) 問題69|非代償性肝硬変でみられる血液検査所見はどれか。 解説図
鍼灸 第29回(2021) 問題69|非代償性肝硬変でみられる血液検査所見はどれか。
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