学習トップ理由で解く 臨床医学各論第3章 ▸ A. 肝臓疾患 / Q0209

理由で解く 臨床医学各論

Q0209 肝・胆・膵疾患

出典:あマ指 第27回(2019) 問題78
問題
疾患と症状の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 肝硬変 ― 静止時振戦
2 急性胆囊炎 ― 右季肋部痛
3 慢性膵炎 ― 女性化乳房
4 潰瘍性大腸炎 ― 便秘
解答
正解2(急性胆囊炎――――――右季肋部痛)
解説
✗ 1. 誤り
肝硬変 ― 静止時振戦
静止時振戦はパーキンソン病の4大症状の一つであり、安静時に出現する丸薬丸め運動(pill rolling tremor)が特徴である。肝硬変でみられる振戦は肝性脳症に伴う羽ばたき振戦(フラッピング振戦)であり、静止時振戦とは全く異なる病態である。
✓ 2. 正しい
急性胆囊炎 ― 右季肋部痛
急性胆嚢炎では右季肋部痛が特徴的な症状である。胆嚢は右季肋部に位置し、胆石の嵌頓や細菌感染により炎症が起こると激しい疼痛と圧痛がみられる。マーフィー徴候(右季肋部圧迫下の吸気停止)は重要な身体所見であり、発熱・悪心・嘔吐を伴うことも多い。
✗ 3. 誤り
慢性膵炎 ― 女性化乳房
女性化乳房はエストロゲンの肝での不活化低下により肝硬変でみられる症状であり、慢性膵炎の症状ではない。慢性膵炎の特徴的症状は上腹部痛・背部痛、消化吸収障害による脂肪便、膵外分泌機能低下による二次性糖尿病である。
✗ 4. 誤り
潰瘍性大腸炎 ― 便秘
潰瘍性大腸炎の主症状は粘血便を伴う下痢であり、便秘ではない。大腸粘膜のびまん性炎症により血性下痢、テネスムス(しぶり腹)が特徴的にみられる。直腸から連続性に口側に広がるのも特徴である。
ポイント
  • 急性胆嚢炎の右季肋部痛とマーフィー徴候は必ず押さえるべき重要所見である
  • 肝硬変の振戦は「羽ばたき振戦」であり、パーキンソン病の「静止時振戦」と混同しないこと
  • 慢性膵炎の3主徴は腹痛・脂肪便・糖尿病であり、女性化乳房は肝硬変の症状である
  • 重要用語: 右季肋部痛、マーフィー徴候、羽ばたき振戦、粘血便 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 特徴的な症状 鑑別のポイント
肝硬変 羽ばたき振戦、クモ状血管拡張、女性化乳房 静止時振戦はパーキンソン病
急性胆嚢炎 右季肋部痛、発熱、マーフィー徴候 高脂肪食後に発作
慢性膵炎 上腹部痛・背部痛、脂肪便、二次性糖尿病 アルコールが主因
潰瘍性大腸炎 粘血便、血性下痢 便秘ではなく下痢
解説画像
あマ指 第27回(2019) 問題78|疾患と症状の組合せで正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第27回(2019) 問題78|疾患と症状の組合せで正しいのはどれか。
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