学習トップ理由で解く 臨床医学各論第3章 ▸ A. 肝臓疾患 / Q0207

理由で解く 臨床医学各論

Q0207 肝・胆・膵疾患

出典:鍼灸 第24回(2016) 問題80
問題
「50歳の男性。大酒家である。軽度の意識障害で受診した。眼球の黄染、胸部のクモ状血管拡張と著明な腹水がみられた。また、上肢の不規則な運動が認められた。」本疾患でよくみられる合併症はどれか。
選択肢
1 大動脈瘤
2 食道静脈瘤
3 マロリー・ワイス症候群
4 大腸憩室炎
解答
正解2(食道静脈瘤)
解説
✗ 1. 誤り
大動脈瘤
大動脈瘤は動脈硬化、高血圧、結合組織疾患(マルファン症候群など)が原因で発生する血管疾患である。肝硬変の合併症ではなく、病態が全く異なる。大動脈瘤は胸部・腹部に発生し、破裂すると致死的である。
✓ 2. 正しい
食道静脈瘤
肝硬変では門脈圧亢進により、門脈血の側副血行路として食道粘膜下の静脈が拡張し、食道静脈瘤が形成される。食道静脈瘤の破裂は大量吐血をきたし、肝硬変の3大死因(消化管出血、肝細胞癌、肝不全)の一つである。治療には内視鏡的硬化療法(EIS)や内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)が行われる。
✗ 3. 誤り
マロリー・ワイス症候群
マロリー・ワイス症候群は激しい嘔吐による食道胃接合部の粘膜裂傷であり、肝硬変の典型的合併症ではない。飲酒後の激しい嘔吐が原因となることが多いが、肝硬変の門脈圧亢進とは病態機序が異なる。
✗ 4. 誤り
大腸憩室炎
大腸憩室炎は大腸壁の脆弱部に憩室が形成され炎症が起こる疾患である。食物繊維の不足や加齢、便秘が原因であり、肝硬変との直接的関連はない。
ポイント
  • 肝硬変の門脈圧亢進により食道静脈瘤が形成され、破裂は致死的な大出血をきたす
  • 肝硬変の3大死因は消化管出血(食道静脈瘤破裂)、肝細胞癌、肝不全である
  • 食道静脈瘤の治療はEIS(硬化療法)・EVL(結紮術)、緊急時はS-Bチューブによる圧迫止血
  • 重要用語: 食道静脈瘤、門脈圧亢進、肝硬変の3大死因、側副血行路 を正確に理解しておくこと。
比較表
肝硬変の合併症 機序 対応
食道静脈瘤 門脈圧亢進→側副血行路拡張 硬化術(EIS)、結紮術(EVL)
腹水 門脈圧亢進+低アルブミン血症 利尿薬、塩分制限
肝性脳症 アンモニア代謝低下 ラクチュロース、分岐鎖アミノ酸
肝細胞癌 慢性炎症→発癌 AFP定期測定、超音波検査
解説画像
鍼灸 第24回(2016) 問題80|「50歳の男性。大酒家である。軽度の意識障害で受診した。眼球の黄染、胸部のクモ状血管拡張と著明な腹水がみられた。また、上肢の不規則な運動が認められた。」本疾患でよくみられる合併症はどれか。 解説図
鍼灸 第24回(2016) 問題80|「50歳の男性。大酒家である。軽度の意識障害で受診した。眼球の黄染、胸部のクモ状血管拡張と著明な腹水がみられた。また、上肢の不規則な運動が認められた。」本疾患でよくみられる合併症はどれか。
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