学習トップ理由で解く 臨床医学各論第3章 ▸ A. 肝臓疾患 / Q0202

理由で解く 臨床医学各論

Q0202 肝・胆・膵疾患

出典:鍼灸 第18回(2010) 問題77
問題
「60歳の男性。軽度呼吸困難で来院。腹部膨隆と女性化乳房とがみられ、上部消化管内視鏡検査で食道・胃静脈癌を認める。血液検査で血小板と白血球に減少が認められ、C型肝炎ウイルス陽性であった。」この疾患で血小板減少をきたす原因となる病変臓器はどれか。
選択肢
1
2 肝臓
3 脾臓
4 腎臓
解答
正解3(脾臓)
解説
✗ 1. 誤り
肺は呼吸機能を担う臓器であり、血小板の産生や破壊には直接関与しない。本症例では軽度呼吸困難がみられるが、これは大量腹水による横隔膜挙上が原因であり、肺自体の病変ではない。
✗ 2. 誤り
肝臓
肝臓は本症例の基礎疾患である肝硬変の病変臓器であるが、血小板を直接破壊する臓器ではない。ただし、肝硬変に伴うトロンボポエチン産生低下が血小板産生減少の一因となることはある。血小板減少の主因は脾機能亢進である。
✓ 3. 正しい
脾臓
肝硬変では門脈圧亢進により脾腫(うっ血性脾腫)をきたし、脾機能亢進状態となる。脾臓で血小板が過剰に捕捉・破壊されるため血小板減少が生じる。同時に白血球・赤血球も減少し汎血球減少を呈する。本症例の血小板と白血球の減少は脾機能亢進によるものである。
✗ 4. 誤り
腎臓
腎臓はエリスロポエチンを産生し赤血球造血に関与するが、血小板減少の直接的原因臓器ではない。腎不全では貧血(腎性貧血)をきたすが、血小板減少の主因とはならない。
ポイント
  • 肝硬変の血小板減少は門脈圧亢進→脾腫→脾機能亢進が主因である
  • 脾機能亢進では血小板・白血球・赤血球すべてが減少する(汎血球減少)
  • 女性化乳房はエストロゲンの肝での不活化低下によって生じる
  • 重要用語: 門脈圧亢進、脾機能亢進、汎血球減少、うっ血性脾腫 を正確に理解しておくこと。
比較表
肝硬変の病態 機序 臨床所見
門脈圧亢進 門脈血流うっ滞 食道静脈瘤、脾腫、腹水
脾機能亢進 脾臓での血球破壊亢進 汎血球減少(血小板↓、白血球↓)
肝機能低下 エストロゲン代謝低下 女性化乳房、クモ状血管拡張
肝合成能低下 アルブミン産生低下 腹水、浮腫
解説画像
鍼灸 第18回(2010) 問題77|「60歳の男性。軽度呼吸困難で来院。腹部膨隆と女性化乳房とがみられ、上部消化管内視鏡検査で食道・胃静脈癌を認める。血液検査で血小板と白血球に減少が認められ、C型肝炎ウイルス陽性であった。」この疾患で血小板減少をきたす原因となる病変臓器はどれか。 解説図
鍼灸 第18回(2010) 問題77|「60歳の男性。軽度呼吸困難で来院。腹部膨隆と女性化乳房とがみられ、上部消化管内視鏡検査で食道・胃静脈癌を認める。血液検査で血小板と白血球に減少が認められ、C型肝炎ウイルス陽性であった。」この疾患で血小板減少をきたす原因となる病変臓器はどれか。
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