学習トップ理由で解く 臨床医学各論第3章 ▸ A. 肝臓疾患 / Q0177

理由で解く 臨床医学各論

Q0177 肝・胆・膵疾患

出典:あマ指 第2回(1994) 問題91
問題
吐血の原因とならない疾患はどれか。
選択肢
1 食道静脈瘤
2 胃癌
3 十二指腸潰瘍
4 潰瘍性大腸炎
解答
正解4(潰瘍性大腸炎)
解説
✗ 1.
食道静脈瘤
✗ 正しい。食道静脈瘤は肝硬変による門脈圧亢進により形成される側副血行路であり、吐血の原因となる。食道粘膜下の静脈が怒張・瘤化し、破裂すると大量の吐血を来す緊急疾患となる。肝硬変の主要な死因の一つであり、内視鏡的硬化療法や結紮術が行われる。
✗ 2.
胃癌
✗ 正しい。胃癌は胃粘膜から発生する悪性腫瘍であり、吐血の原因となる。腫瘍組織が脆弱で出血しやすく、腫瘍からの出血により吐血やタール便(黒色便)を呈する。進行胃癌では貧血を伴うことが多く、上部消化管出血の重要な原因である。
✗ 3.
十二指腸潰瘍
✗ 正しい。十二指腸潰瘍は十二指腸(主に球部)に生じる潰瘍性病変で、上部消化管に位置し吐血の原因となる。潰瘍が深くなり血管を侵食すると出血し、吐血やタール便の原因となる。胃潰瘍とともに消化性潰瘍と総称される。
✓ 4. 誤り
潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎は大腸(主に直腸〜結腸)の粘膜にびらん・潰瘍を形成する原因不明の炎症性腸疾患である。下部消化管の疾患であるため、下血(血性下痢、粘血便)を呈するが吐血の原因にはならない。吐血は食道・胃・十二指腸など上部消化管(Treitz靱帯より口側)からの出血で生じる。
ポイント
  • 吐血と下血の鑑別:吐血は上部消化管出血、下血は下部消化管出血(ただし上部消化管の大量出血でも下血となりうる)
  • 上部消化管出血の原因:食道静脈瘤、胃・十二指腸潰瘍、胃癌、マロリー・ワイス症候群など
  • 下部消化管出血の原因:潰瘍性大腸炎、大腸癌、痔核、虚血性腸炎など
  • 食道静脈瘤破裂は大量吐血を起こし緊急対応が必要
  • 重要用語: 吐血, 上部消化管出血, 潰瘍性大腸炎, 下血, 食道静脈瘤 を正確に理解しておくこと。
比較表
出血部位 症状 主な原因疾患
上部消化管 吐血、タール便 食道静脈瘤、胃・十二指腸潰瘍、胃癌
下部消化管 下血(鮮血便) 潰瘍性大腸炎、大腸癌、痔核
解説画像
あマ指 第2回(1994) 問題91|吐血の原因とならない疾患はどれか。 解説図
あマ指 第2回(1994) 問題91|吐血の原因とならない疾患はどれか。
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