学習トップ理由で解く 臨床医学各論第3章 ▸ A. 肝臓疾患 / Q0178

理由で解く 臨床医学各論

Q0178 肝・胆・膵疾患

出典:あマ指 第2回(1994) 問題92
問題
肝硬変症の症状でないのはどれか。
選択肢
1 くも状血管腫
2 手掌紅斑
3 女性化乳房
4 血尿
解答
正解4(血尿)
解説
✗ 1.
くも状血管腫
✗ 正しい。くも状血管腫(クモ状血管拡張)は肝硬変の症状として正しい。肝硬変でエストロゲンの不活化障害により皮膚の細動脈が拡張して形成される特徴的所見である。中心の赤い点から放射状に細い血管が走り、クモの形に見える。胸部・顔面・上肢に好発する。
✗ 2.
手掌紅斑
✗ 正しい。手掌紅斑は肝硬変の症状として正しい。エストロゲン過剰により手掌の母指球・小指球部が紅潮する特徴的所見である。両側性に認められ、肝硬変のほか妊娠時にも出現することがある。エストロゲン過剰関連所見の代表例である。
✗ 3.
女性化乳房
✗ 正しい。女性化乳房は肝硬変の症状として正しい。エストロゲンの不活化障害により男性の乳腺が肥大する症状である。両側性の乳腺腫大として認められ、圧痛を伴うこともある。エストロゲン優位による二次性徴の変化である。
✓ 4. 誤り
血尿
血尿は腎臓・尿路系の疾患(腎炎、腎結石、膀胱炎、尿路結石、尿路腫瘍など)でみられる所見であり、肝硬変の症状ではない。肝硬変では凝固因子の低下により出血傾向はみられるが、血尿という形では現れない。よって本選択肢が正答となる。
ポイント
  • エストロゲン過剰関連所見:肝でのエストロゲン不活化障害により、くも状血管腫・手掌紅斑・女性化乳房が出現
  • 肝硬変のその他の症状:腹水、食道静脈瘤、脾腫、黄疸、腹壁静脈怒張(メデューサの頭)、肝性脳症
  • 血尿は腎・尿路系疾患の所見であり肝疾患とは無関係
  • 出血傾向:肝硬変では凝固因子低下により鼻出血、歯肉出血、紫斑などはみられるが血尿ではない
  • 重要用語: 肝硬変, エストロゲン不活化障害, くも状血管腫, 手掌紅斑, 女性化乳房 を正確に理解しておくこと。
比較表
肝硬変の症状 機序 好発部位・特徴
くも状血管腫 エストロゲン不活化障害 胸部・顔面・上肢
手掌紅斑 エストロゲン過剰 母指球・小指球部
女性化乳房 エストロゲン不活化障害 両側性乳腺腫大
腹水 門脈圧亢進+低アルブミン血症 腹腔内
食道静脈瘤 門脈圧亢進 食道粘膜下
解説画像
あマ指 第2回(1994) 問題92|肝硬変症の症状でないのはどれか。 解説図
あマ指 第2回(1994) 問題92|肝硬変症の症状でないのはどれか。
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