学習トップ理由で解く 臨床医学各論第2章 ▸ D. 腸疾患 / Q0162

理由で解く 臨床医学各論

Q0162 消化管疾患

出典:あマ指 第30回(2022) 問題61
問題
過敏性腸症候群について正しいのはどれか。
選択肢
1 血便を認める。
2 血清 CRP が上昇する。
3 生命予後は不良である。
4 排便により腹痛が軽快する。
解答
正解4(排便により腹痛が軽快する。)
解説
✗ 1. 誤り
血便を認める。
過敏性腸症候群(IBS)では血便は認めない。血便がある場合は潰瘍性大腸炎や大腸癌などの器質的疾患を疑い精査する必要がある。
✗ 2. 誤り
血清 CRP が上昇する。
IBSは機能性疾患であり炎症を伴わないため、血清CRP(C反応性蛋白)は上昇しない。CRPが上昇する場合は炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)などの器質的炎症を示唆しており、CRP高値などの血液炎症所見が病勢の診断に用いられるとされている。
✗ 3. 誤り
生命予後は不良である。
IBSの生命予後は良好である。器質的病変がないため生命を脅かすことはないが、症状が持続・反復することによりQOL(生活の質)は低下する。
✓ 4. 正しい
排便により腹痛が軽快する。
IBSでは排便により腹痛が軽快するのが特徴的である。これはIBSの診断における重要なポイントであり、Rome診断基準にも含まれている所見である。
ポイント
  • IBSは機能性疾患であり、血便なし・CRP上昇なし・生命予後良好である。これらの特徴から器質的疾患との鑑別が可能になる。
  • 排便による腹痛の軽快はIBSの診断上の最重要所見であり、Rome診断基準にも含まれている。
  • IBSを疑った場合でも、器質的疾患の除外(大腸内視鏡検査、血液検査など)が必要であり、特に血便・発熱・体重減少がある場合は炎症性腸疾患を考慮する。
  • 重要用語: 過敏性腸症候群, 排便で軽快, CRP正常, 血便なし, 生命予後良好 を正確に理解しておくこと。
比較表
検査項目 過敏性腸症候群 潰瘍性大腸炎 クローン病
血便 なし あり(粘血便) あり
CRP 正常 上昇 上昇
赤沈 正常 亢進 亢進
内視鏡所見 異常なし びらん・潰瘍 縦走潰瘍
生命予後 良好 寛解と増悪 寛解と増悪
解説画像
あマ指 第30回(2022) 問題61|過敏性腸症候群について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第30回(2022) 問題61|過敏性腸症候群について正しいのはどれか。
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