学習トップ理由で解く 臨床医学各論第2章 ▸ D. 腸疾患 / Q0153

理由で解く 臨床医学各論

Q0153 消化管疾患

出典:鍼灸 第19回(2011) 問題66
問題
麻痺性イレウスの症状で誤っているのはどれか。
選択肢
1 嘔吐
2 腹痛
3 下痢
4 膨満感
解答
正解3(下痢)
解説
✗ 1.
嘔吐
✗ 正しい。嘔吐は麻痺性イレウスでみられる症状であり、この記述は正しい。腸管蠕動の低下・停止により腸管内容物が停滞し、口側に逆流して嘔吐をきたす。
✗ 2.
腹痛
✗ 正しい。腹痛は麻痺性イレウスでみられる症状である。腸管の拡張により持続的な鈍痛が生じる。ただし機械的イレウスのような激しい間歇的疝痛ではなく、持続的で比較的軽度の腹痛が特徴的である。
✓ 3. 誤り
下痢
下痢は麻痺性イレウスの症状としては誤りである。麻痺性イレウスでは腸管蠕動が低下・停止するため、排便・排ガスの停止がみられる。下痢は腸管蠕動が亢進した状態でみられるものであり、蠕動が停止する麻痺性イレウスとは正反対の病態である。
✗ 4.
膨満感
✗ 正しい。腹部膨満感は麻痺性イレウスの主要症状である。腸管蠕動の停止によりガスと腸液が腸管内に貯留し、腹部膨満をきたす。X線検査では小腸ガスと鏡面像(ニボー)がみられる。
ポイント
  • 麻痺性イレウスでは蠕動停止により排便・排ガスの停止が起こる。下痢は蠕動亢進時の症状であり、正反対の病態である。
  • 麻痺性イレウスの原因は腹膜炎、重症感染症(敗血症)、薬剤(抗コリン薬など)、電解質異常(低カリウム血症)などである。
  • 機械的イレウスとの鑑別では腸雑音が重要で、麻痺性イレウスでは減弱・消失し、機械的イレウスでは亢進する。
  • 重要用語: 麻痺性イレウス, 蠕動停止, 排便排ガス停止, 腸雑音減弱, 鏡面像 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 機械的イレウス 麻痺性イレウス
腸雑音 亢進(金属音) 減弱・消失
腹痛の性質 間歇的疝痛 持続的鈍痛
排便・排ガス 停止 停止
嘔吐 あり あり
主な原因 癒着、腫瘍、ヘルニア 腹膜炎、敗血症、薬剤
解説画像
鍼灸 第19回(2011) 問題66|麻痺性イレウスの症状で誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第19回(2011) 問題66|麻痺性イレウスの症状で誤っているのはどれか。
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