学習トップ理由で解く 臨床医学各論第2章 ▸ C. 胃・十二指腸疾患 / Q0123

理由で解く 臨床医学各論

Q0123 消化管疾患

出典:あマ指 第1回(1993) 問題84
問題
消化性潰瘍について正しいのはどれか。
選択肢
1 下腹部痛を生じる。
2 ストレスが原因となる。
3 エックス線造影検査で陰影欠損像をみる。
4 抗生物質が治療に有用である。
解答
正解2(ストレスが原因となる)
解説
✗ 1. 誤り
下腹部痛を生じる。
消化性潰瘍(胃潰瘍・十二指腸潰瘍)の疼痛は心窩部(上腹部)に生じるのが典型的であり、下腹部痛ではない。胃・十二指腸は上腹部に位置するため、内臓痛として心窩部に疼痛が出現する。下腹部痛は大腸疾患や婦人科疾患で生じる。
✓ 2. 正しい
ストレスが原因となる。
消化性潰瘍の発症にはストレスが重要な原因となる。精神的・身体的ストレスにより胃酸分泌が亢進し、粘膜防御機構とのバランスが崩れて潰瘍が形成される。攻撃因子(胃酸、ペプシン)と防御因子(粘液、重炭酸イオン、粘膜血流)のバランス破綻が病態の本質である。ヘリコバクター・ピロリ菌感染やNSAIDsも主要な原因である。
✗ 3. 誤り
エックス線造影検査で陰影欠損像をみる。
X線造影検査で消化性潰瘍はニッシェ(niche)を呈する。ニッシェとは潰瘍部にバリウムが貯留して壁外性突出像として観察される所見である。陰影欠損像は胃癌などの腫瘍性病変がバリウムを置換して陰影として認められる所見であり、潰瘍とは逆の所見である。
✗ 4. 誤り
抗生物質が治療に有用である。
本問の出題当時(1993年)の治療はH2受容体拮抗薬や制酸薬が主体であり、抗生物質は主要な治療薬ではなかった。ただし、現在ではヘリコバクター・ピロリ菌感染例に対して、プロトンポンプ阻害薬と2種類の抗生物質(クラリスロマイシン、アモキシリン)による除菌療法が標準治療となっている。
ポイント
  • 消化性潰瘍の原因:攻撃因子(胃酸、ペプシン、ストレス、NSAIDs、ピロリ菌)と防御因子(粘液、重炭酸イオン、粘膜血流)のバランス破綻
  • 疼痛部位:心窩部(上腹部)、下腹部ではない
  • X線所見:ニッシェ(壁外性突出像)、陰影欠損像は腫瘍の所見
  • 重要用語: 消化性潰瘍、ストレス、ニッシェ、心窩部痛、ピロリ菌 を正確に理解しておくこと。
比較表
X線所見 疾患 所見の特徴
ニッシェ 消化性潰瘍 バリウムが潰瘍部に貯留、壁外性突出
陰影欠損 胃癌などの腫瘍 腫瘍がバリウムを置換、陰影として認識
解説画像
あマ指 第1回(1993) 問題84|消化性潰瘍について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第1回(1993) 問題84|消化性潰瘍について正しいのはどれか。
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