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理由で解く 臨床医学各論

Q0739 整形外科疾患

出典:あマ指 第1回(1993) 問題83
問題
腰椎椎間板ヘルニアで誤っているのはどれか。
選択肢
1 坐骨神経痛を伴うことが多い。
2 ギックリ腰ではじまることが多い。
3 椎間孔が拡大する。
4 後側方に脱出することが多い。
解答
正解3(椎間孔が拡大する)
解説
✗ 1.
坐骨神経痛を伴うことが多い。
✗ 正しい。腰椎椎間板ヘルニアでは脱出した髄核がL5やS1神経根を圧迫し、坐骨神経痛(殿部から大腿後面〜下腿外側〜足部への放散痛)を伴うことが極めて多い。坐骨神経はL4〜S3神経根から構成されるため、腰椎下位のヘルニアでは坐骨神経領域に疼痛が出現する。
✗ 2.
ギックリ腰ではじまることが多い。
✗ 正しい。重量物の挙上や前屈動作などで急性に発症する急性腰痛(いわゆる「ぎっくり腰」)で始まることが多い。突然の激しい腰痛とともに下肢の放散痛が出現する。ただし、慢性的な椎間板変性を背景として徐々に発症する症例もある。
✓ 3. 誤り
椎間孔が拡大する。
腰椎椎間板ヘルニアでは、脱出した髄核が神経根を圧迫するため椎間孔は狭小化することはあっても拡大することはない。椎間孔の拡大は神経鞘腫(schwannoma)や神経線維腫などの腫瘍性病変が神経根に沿って発育し、骨を圧迫して生じる所見である。
✗ 4.
後側方に脱出することが多い。
✗ 正しい。後縦靱帯が正中部で強固なため、椎間板髄核は後縦靱帯の相対的に弱い後側方(paracentral)に脱出しやすい。L4/5椎間板ヘルニアではL5神経根、L5/S1椎間板ヘルニアではS1神経根を圧迫することが多い。正中脱出は少ないが、生じると馬尾症候群を呈することがある。
ポイント
  • 腰椎椎間板ヘルニアでは椎間孔は拡大せず、狭小化することがある(椎間孔拡大は腫瘍性病変の所見)
  • 坐骨神経痛(L4〜S3支配)を高頻度に伴い、急性発症(ぎっくり腰)で始まることが多い
  • 後縦靱帯が正中で強固なため後側方への脱出が多く、正中脱出では馬尾症候群のリスクがある
  • 重要用語: 椎間孔狭小化と拡大の鑑別 を正確に理解しておくこと。
比較表
鑑別ポイント 椎間板ヘルニア 神経鞘腫
椎間孔の変化 狭小化 拡大(ダンベル型)
発症年齢 20〜40代 40〜60代
画像所見 髄核の後方突出 椎間孔を貫く腫瘤
疼痛パターン 動作時増悪 安静時痛あり
解説画像
あマ指 第1回(1993) 問題83|腰椎椎間板ヘルニアで誤っているのはどれか。 解説図
あマ指 第1回(1993) 問題83|腰椎椎間板ヘルニアで誤っているのはどれか。
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