学習トップ理由で解く 臨床医学各論第2章 ▸ C. 胃・十二指腸疾患 / Q0121

理由で解く 臨床医学各論

Q0121 消化管疾患

出典:あマ指 第26回(2018) 問題70
問題
「22歳の男性。腹痛と体重減少を主訴に来院。5、6年前より時々腹痛がみられていた。腹痛は空腹時痛で食事摂取により改善する。」本疾患の腹痛が起こりやすいのはどれか。
選択肢
1 右季肋部
2 心窩部
3 右側腹部
4 臍部
解答
正解2(心窩部)
解説
✗ 1. 誤り
右季肋部
右季肋部痛は胆嚢疾患(胆石症・胆嚢炎)や肝疾患に特徴的な部位である。急性胆嚢炎ではマーフィー徴候(右季肋部を圧迫しながら深呼吸させると痛みで呼吸が止まる)が陽性となる。十二指腸潰瘍の典型的な痛みの部位ではない。
✓ 2. 正しい
心窩部
空腹時痛で食事摂取により改善する腹痛は十二指腸潰瘍を強く示唆する。十二指腸潰瘍による腹痛は心窩部(みぞおち)に起こりやすい。十二指腸は上腹部の正中やや右寄り(心窩部)に位置しており、胃酸の刺激により空腹時に痛みが増強し、食事により胃酸が中和されると改善する。時に背部痛を伴うこともある。
✗ 3. 誤り
右側腹部
右側腹部痛は上行結腸の疾患(憩室炎、大腸癌など)や尿管結石、腎盂腎炎などでみられる部位であり、十二指腸潰瘍の典型的な痛みの部位ではない。虫垂炎では初期に心窩部痛がみられ、後に右下腹部に限局する。
✗ 4. 誤り
臍部
臍部痛は小腸疾患や虫垂炎初期(大網伸展による関連痛)、腸間膜血管閉塞症などでみられることがあるが、十二指腸潰瘍の典型的な痛みの部位ではない。臍周囲痛は小腸由来の内臓痛であることが多い。
ポイント
  • 十二指腸潰瘍の特徴:空腹時痛(夜間痛)、食事で改善、心窩部痛、若年者に多い
  • 胃潰瘍との鑑別:胃潰瘍は食後痛、十二指腸潰瘍は空腹時痛
  • ヘリコバクター・ピロリ菌感染が70〜90%に認められる
  • 重要用語: 十二指腸潰瘍、空腹時痛、心窩部痛、食事で改善 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 疼痛部位 疼痛の特徴
十二指腸潰瘍 心窩部 空腹時痛、食事で改善
胃潰瘍 心窩部 食後痛
急性胆嚢炎 右季肋部 脂肪食後に増悪
虫垂炎 心窩部→右下腹部 移動性腹痛
解説画像
あマ指 第26回(2018) 問題70|「22歳の男性。腹痛と体重減少を主訴に来院。5、6年前より時々腹痛がみられていた。腹痛は空腹時痛で食事摂取により改善する。」本疾患の腹痛が起こりやすいのはどれか。 解説図
あマ指 第26回(2018) 問題70|「22歳の男性。腹痛と体重減少を主訴に来院。5、6年前より時々腹痛がみられていた。腹痛は空腹時痛で食事摂取により改善する。」本疾患の腹痛が起こりやすいのはどれか。
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