学習トップ理由で解く 臨床医学各論第2章 ▸ A. 口腔疾患 / Q0102

理由で解く 臨床医学各論

Q0102 消化管疾患

出典:鍼灸 第1回(1993) 問題70
問題
う歯について誤っているのはどれか。
選択肢
1 微生物によって産出される酸が歯を脱灰する。
2 食事中の糖の量に関係する。
3 唾液の流出が少ないと、う歯になりやすい。
4 C1(1 度)で痛みを生じる。
解答
正解4(C1(1 度)で痛みを生じる)
解説
✗ 1.
微生物によって産出される酸が歯を脱灰する。
✗ 正しい。う歯はミュータンス連鎖球菌などのう蝕原性菌が糖を分解して酸を産生し、その酸がエナメル質を脱灰することで発生する。酸によって歯牙硬組織からカルシウムを主体とした結晶が溶けていく現象である。細菌の集合体であるデンタルプラーク(歯垢)が酸産生の温床となる。
✗ 2.
食事中の糖の量に関係する。
✗ 正しい。食事中の糖質(特にスクロース)の量が多いほど、口腔内細菌による酸産生が増加し、う歯の発生リスクが高まる。糖は細菌が酸をつくり出す基質となるため、間食を避けることが予防対策として重要である。カイスの三つの輪における「食物」要因に相当する。
✗ 3.
唾液の流出が少ないと、う歯になりやすい。
✗ 正しい。唾液には酸を中和する緩衝作用と、脱灰されたエナメル質の再石灰化を促進する作用がある。唾液分泌が少ないとこれらの防御機能が低下し、う歯になりやすい。唾液の流出低下はう歯のリスクファクターである。
✓ 4. 誤り
C1(1 度)で痛みを生じる。
C1(1度)はエナメル質に限局した初期う蝕であり、通常は痛みを生じない。エナメル質には神経が分布していないため、この段階では無症状である。痛みが生じるのはC2(2度)以降で、浸食が象牙質に進むと象牙細管を通じて歯髄と交通ができ、冷水痛を感じるようになる。さらにC3(3度)で歯髄炎を起こすと熱水痛・自発痛がみられる。
ポイント
  • う歯の進行段階:C1(エナメル質のみ、無症状)→C2(象牙質、冷水痛)→C3(歯髄炎、熱水痛・自発痛)→C4(歯根のみ残存)
  • う歯の3要因:Keyesの三つの輪として、口腔内細菌・食物(糖質)・歯の質が挙げられ、これに時間因子を加えた4因子説がある
  • 予防対策:歯磨きによる歯垢除去、間食を避ける、フッ素による歯質強化
  • 重要用語: う歯、ミュータンス連鎖球菌、脱灰、C1(エナメル質)、C2(象牙質) を正確に理解しておくこと。
比較表
分類 進行度 痛み 治療
C1(1度) エナメル質のみ なし 補填
C2(2度) 象牙質まで 冷水痛 補填
C3(3度) 歯髄炎 熱水痛・自発痛 歯髄除去
C4(4度) 歯根のみ残存 鈍痛 抜歯
解説画像
鍼灸 第1回(1993) 問題70|う歯について誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第1回(1993) 問題70|う歯について誤っているのはどれか。
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