学習トップ理由で解く 臨床医学各論第1章 ▸ C. ウイルス感染症 / Q0072

理由で解く 臨床医学各論

Q0072 感染症

出典:あマ指 第29回(2021) 問題56
問題
呼吸器感染症について正しいのはどれか。
選択肢
1 結核菌は空気感染を起こさない。
2 我が国では菌の耐性化は問題となっていない。
3 感冒の約60%はウイルス感染である。
4 高齢者では肺炎球菌ワクチン接種が推奨されている。
解答
正解4(高齢者では肺炎球菌ワクチン接種が推奨されている。)
解説
✗ 1. 誤り
結核菌は空気感染を起こさない。
結核菌は空気感染(飛沫核感染)を起こす代表的な病原体である。結核菌・麻疹ウイルス・水痘ウイルスが空気感染する感染症の代表であり、「空気感染を起こさない」は明らかに誤りである。結核患者の咳やくしゃみから放出された飛沫核が空気中を浮遊し、吸入により感染する。
✗ 2. 誤り
我が国では菌の耐性化は問題となっていない。
わが国でも抗菌薬の不適切な使用による薬剤耐性菌の出現は大きな問題となっている。MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、多剤耐性結核菌、ESBL産生菌などが臨床上問題であり、抗菌薬の適正使用が求められている。
✗ 3. 誤り
感冒の約60%はウイルス感染である。
感冒(かぜ症候群)の原因の約80~90%がウイルス感染であり、「約60%」は過小評価である。ライノウイルスが最も多い原因ウイルスであり、そのほかコロナウイルス、RSウイルス、アデノウイルスなども原因となる。
✓ 4. 正しい
高齢者では肺炎球菌ワクチン接種が推奨されている。
高齢者では肺炎球菌ワクチンの接種が推奨されている。65歳以上の高齢者は肺炎の罹患リスクが高く、肺炎球菌は市中肺炎の最も多い原因菌である。高齢者では細菌二次感染による肺炎が死亡原因となることが多い。高齢者は細菌二次感染による肺炎を併発して重篤になることがあるとされている。
ポイント
  • 空気感染する感染症は「結核・麻疹・水痘」の3つが代表的であり、結核菌が空気感染することは必須知識。
  • 感冒の原因の約80~90%はウイルス感染であり、抗菌薬は通常無効。不必要な抗菌薬投与は耐性菌の出現につながる。
  • 高齢者への肺炎球菌ワクチン接種は市中肺炎予防の重要な手段であり、定期接種として推奨されている。
  • 重要用語: 空気感染(結核・麻疹・水痘), 薬剤耐性菌, 肺炎球菌ワクチン, 感冒(ウイルス性80~90%) を正確に理解しておくこと。
解説画像
あマ指 第29回(2021) 問題56|呼吸器感染症について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第29回(2021) 問題56|呼吸器感染症について正しいのはどれか。
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