学習トップ理由で解く 臨床医学各論第1章 ▸ B. 細菌感染症 / Q0022

理由で解く 臨床医学各論

Q0022 感染症

出典:あマ指 第14回(2006) 問題76
問題
破傷風について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 病原体は土壌中に存在する。
2 外傷後の発症が多い。
3 内毒素により発症する。
4 筋肉のけいれんが特徴である。
解答
正解3(内毒素により発症する。)
解説
✗ 1.
病原体は土壌中に存在する。
✗ 正しい。破傷風菌は嫌気性菌であり、芽胞の形で土壌中に広く分布している。芽胞は熱や乾燥に強く、長期間環境中で生存できる。この記述は正しい。
✗ 2.
外傷後の発症が多い。
✗ 正しい。破傷風は外傷部位(特に深い刺し傷や汚染された傷など嫌気的環境が形成されやすい創傷)から破傷風菌が侵入して発症する。この記述は正しい。
✓ 3. 誤り
内毒素により発症する。
破傷風は内毒素ではなく外毒素(テタノスパスミン)によって発症する。テタノスパスミンは破傷風菌が産生する強力な神経毒素であり、神経行性に中枢神経へ運ばれ、抑制性シナプス(レンショウ細胞など)に作用してグリシンやGABAの放出を阻害し、随意筋の持続的痙攣を引き起こす。内毒素はグラム陰性菌の細胞壁成分であり、破傷風菌(グラム陽性菌)とは無関係である。
✗ 4.
筋肉のけいれんが特徴である。
✗ 正しい。破傷風の特徴的症状は開口障害(牙関緊急)、顔面筋痙攣(痙笑)、後弓反張などの筋肉の痙攣である。この記述は正しい。
ポイント
  • 破傷風の病態の核心は「外毒素(テタノスパスミン)」による発症であり、「内毒素」との混同に注意する。内毒素はグラム陰性菌の細胞壁成分(リポ多糖・LPS)であるのに対し、外毒素は菌体外に分泌される蛋白質毒素である。
  • 破傷風菌は嫌気性菌で土壌中に広く分布し、外傷(特に深い刺し傷や汚染創)から侵入して発症する。開口障害(牙関緊急)・痙笑・後弓反張が特徴的症状である。
  • 破傷風は三種混合ワクチン(DPT)のT(Tetanus)に含まれ、予防接種により予防可能である。致命率は平均50%と高い。
  • 重要用語: 外毒素(テタノスパスミン), 内毒素(LPS), 牙関緊急, 後弓反張 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 外毒素 内毒素
本体 蛋白質 リポ多糖(LPS)
産生菌 グラム陽性菌・陰性菌 グラム陰性菌
分泌 菌体外に分泌される 菌体の溶解で放出
熱安定性 不安定(加熱で失活) 安定(加熱に強い)
代表例 破傷風毒素、ボツリヌス毒素 エンドトキシンショック
解説画像
あマ指 第14回(2006) 問題76|破傷風について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第14回(2006) 問題76|破傷風について誤っている記述はどれか。
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