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理由で解く 臨床医学各論

Q0023 感染症

出典:あマ指 第15回(2007) 問題90
問題
細菌性食中毒で球麻痺症状を起こすのはどれか。
選択肢
1 サルモネラ菌
2 ボツリヌス菌
3 腸炎ビブリオ
4 カンピロバクター
解答
正解2(ボツリヌス菌)
解説
✗ 1. 誤り
サルモネラ菌
サルモネラ菌は感染侵入型の食中毒を起こし、肉・卵・乳製品が原因食品となる。主な症状は水様便、腹痛、発熱であり、神経症状は呈さない。潜伏期間は6〜48時間である。
✓ 2. 正しい
ボツリヌス菌
ボツリヌス菌は毒素型食中毒の原因菌である。ボツリヌス毒素は神経筋接合部においてアセチルコリンの放出を阻害し、弛緩性麻痺を引き起こす。いずし・真空包装食品が原因食品となり、80度30分または100度1分で毒素は不活性化される。
✗ 3. 誤り
腸炎ビブリオ
腸炎ビブリオは感染侵入型の食中毒を起こし、生魚介類が原因食品となる。主な症状は激しい水様便と腹痛であり、神経症状は呈さない。潜伏期間は10〜20時間である。
✗ 4. 誤り
カンピロバクター
カンピロバクターは感染侵入型の食中毒を起こし、鶏肉・水が原因食品となる。主な症状は水様便、腹痛、発熱であり、球麻痺症状は生じない。潜伏期間は2〜7日と比較的長い。
ポイント
  • 食中毒で神経症状(球麻痺)を呈するのはボツリヌス菌のみである。ボツリヌス毒素は弛緩性麻痺を起こす点が、破傷風毒素(痙性麻痺)との重要な違いである。
  • ボツリヌス中毒の球麻痺症状として、視力低下・複視・眼瞼下垂・瞳孔散大の眼症状と、発語障害・嚥下障害・呼吸困難が出現する。早期に抗毒素血清を投与しないと約1/3が死亡する。
  • 食中毒は毒素型(ブドウ球菌・ボツリヌス菌)と感染型(サルモネラ・腸炎ビブリオ・カンピロバクター)に分類され、毒素型は潜伏期間が短く発熱を伴わないことが多い。
  • 重要用語: ボツリヌス毒素, 弛緩性麻痺, 球麻痺, 毒素型食中毒 を正確に理解しておくこと。
比較表
原因菌 食中毒の型 原因食品 潜伏期間 特徴的症状
サルモネラ 感染侵入型 肉・卵・乳製品 6〜48時間 水様便・発熱
腸炎ビブリオ 感染侵入型 生魚介類 10〜20時間 激しい水様便・腹痛
ボツリヌス 毒素型 いずし・真空包装食品 18時間前後 球麻痺・弛緩性麻痺
カンピロバクター 感染侵入型 鶏肉・水 2〜7日 水様便・腹痛・発熱
ブドウ球菌 毒素型 弁当・にぎりめし 2〜4時間 嘔吐が主体
解説画像
あマ指 第15回(2007) 問題90|細菌性食中毒で球麻痺症状を起こすのはどれか。 解説図
あマ指 第15回(2007) 問題90|細菌性食中毒で球麻痺症状を起こすのはどれか。
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