学習トップ理由で解く 臨床医学各論第1章 ▸ B. 細菌感染症 / Q0010

理由で解く 臨床医学各論

Q0010 感染症

出典:鍼灸 第13回(2005) 問題84
問題
破傷風について正しい記述はどれか。
選択肢
1 破傷風菌は好気性である。
2 菌の内毒素によって発症する。
3 経口的な感染が多い。
4 予防にワクチンが有効である。
解答
正解4(予防にワクチンが有効である)
解説
✗ 1. 誤り
破傷風菌は好気性である。
破傷風菌は偏性嫌気性菌であり、好気性ではない。酸素のない環境で増殖するため、深い創傷や壊死組織の中で特に増殖しやすい。土壌中の芽胞として存在し、創傷から侵入して嫌気状態で発芽・増殖する。
✗ 2. 誤り
菌の内毒素によって発症する。
破傷風は外毒素(テタノスパスミン)によって発症し、内毒素ではない。この外毒素が神経行性に中枢神経へ運ばれて、抑制性神経伝達物質の遊離を阻害し、筋の痙攣を引き起こす。内毒素はグラム陰性菌の細胞壁成分であり、破傷風菌(グラム陽性菌)は外毒素を産生する。
✗ 3. 誤り
経口的な感染が多い。
破傷風は外傷部位(創傷)からの感染が主であり、経口感染ではない。土や木片、錆びた釘などから創傷を介して感染する。新生児破傷風では臍帯部からの感染もみられる。
✓ 4. 正しい
予防にワクチンが有効である。
破傷風の予防にはトキソイドワクチンが極めて有効である。DPT三種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風)に含まれ、定期接種で投与される。破傷風毒素を無毒化した不活化毒素(トキソイド)により、抗毒素抗体を産生させて予防する。受傷時には破傷風トキソイドの追加接種や破傷風免疫グロブリンの投与が行われる。
ポイント
  • 破傷風菌は偏性嫌気性菌で外毒素(テタノスパスミン)により中枢神経を傷害し、筋の痙攣(牙関緊急、痙笑、後弓反張)を引き起こす
  • 創傷感染が主な感染経路であり、経口感染や飛沫感染ではない
  • 予防にはトキソイドワクチン(DPT三種混合ワクチン)が有効で、受傷時には破傷風免疫グロブリンを使用
  • 重要用語: 偏性嫌気性菌、外毒素(テタノスパスミン)、トキソイドワクチン を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 破傷風 ボツリヌス症
原因菌 破傷風菌(C.tetani) ボツリヌス菌(C.botulinum)
菌の性質 偏性嫌気性、芽胞形成 偏性嫌気性、芽胞形成
毒素 テタノスパスミン(外毒素) ボツリヌス毒素(外毒素)
感染経路 創傷感染 経口感染(食品)
主な症状 痙性麻痺(牙関緊急、後弓反張) 弛緩性麻痺(複視、嚥下障害)
予防 トキソイドワクチン(DPT) 食品の適切な加熱処理
解説画像
鍼灸 第13回(2005) 問題84|破傷風について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第13回(2005) 問題84|破傷風について正しい記述はどれか。
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