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理由で解く 理学療法士

QP61A007 理学療法評価学

出典:第61回理学療法士国家試験(2026)午前 問7
問題
65歳の男性。心不全のため入院した。現在はβ遮断薬を内服している。心電図モニターの波形を図に示す。所見で正しいのはどれか。
図
選択肢
1 心室期外収縮
2 心房細動
3 心房粗動
4 洞性徐脈
5 Ⅲ度房室ブロック
解答
正解4(洞性徐脈)
解説

規則整・narrow QRS・各拍にP波先行・徐脈は洞性徐脈であり、β遮断薬内服例の心拍数低下と合致する。

図は25mm/sec・1mV=10mmで記録された1誘導のリズムストリップである。幅の狭いQRS群が規則正しく(RR間隔ほぼ一定)並び、各QRSの直前には一定のPR間隔でP波が先行し、直後にT波を伴う。RR間隔は広く心拍数は遅い(徐脈)。基線に細動波や鋸歯状の粗動波はなく、幅広い早期収縮やP-QRS解離も認めない。すなわち洞結節から規則的に出る調律が遅くなった「洞性徐脈」の所見である。本例は心不全でβ遮断薬を内服しており、β遮断薬は洞結節の自動能を抑えて心拍数を低下させるため、この徐脈は薬剤の作用として矛盾しない。したがって正しい所見は洞性徐脈である。

✗ 1. 誤り
心室期外収縮
幅広いQRSの早期拍が突然出現するが、図のQRSはすべて幅が狭く規則的で早期収縮を認めない
✗ 2. 誤り
心房細動
RR間隔が絶対不整でP波が消失し基線に細動波が出るが、図はRR一定でP波が明瞭に先行する
✗ 3. 誤り
心房粗動
基線に鋸歯状(のこぎり歯様)のF波が連続するが、図の基線は平坦でF波を認めない
✓ 4. 正しい
洞性徐脈
narrow QRSが規則整に並び各拍にP波が先行し、心拍数が遅い所見で、β遮断薬内服による徐脈とも合致する
✗ 5. 誤り
Ⅲ度房室ブロック
P波とQRSが無関係に解離しP波がQRSより多くなるが、図は各QRSに一定PRでP波が対応し解離はない
ポイント
  • 洞性徐脈=正常P波・1:1伝導で心拍<60/分
  • β遮断薬は洞結節抑制→徐脈をきたす
  • III度房室ブロックはP波とQRSが解離
比較表
徐脈・不整脈の心電図鑑別
所見P波RR間隔特徴
洞性徐脈正常・1:1心拍<60/分
心房細動なし(f波)絶対性不整基線細動
心房粗動F波(鋸歯状)整または整数比粗動波
III度房室ブロックあり(QRSと無関係)PP・RR独立房室解離
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