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理由で解く 理学療法士

QP60P041 理学療法治療学

出典:第60回理学療法士国家試験(2025)午後 問41
問題
大腿義足歩行の立脚中期で体幹の義足側への側屈がみられた。原因はどれか。2つ選べ。
選択肢
1 体重荷重線が足部内側にある。
2 義足が非切断肢よりも長すぎる。
3 ソケット初期内転角が大きすぎる。
4 ソケット外壁の高さが不足している。
5 義足側股関節外転筋群に筋力低下がある。
解答
正解4(ソケット外壁の高さが不足している。)、5(義足側股関節外転筋群に筋力低下がある。)
解説

立脚中期の義足側への体幹側屈は、股関節外転筋が骨盤を支えられない(外転筋力低下)か、ソケット外壁が大腿骨外側を支えられない(外壁の高さ不足)ときに生じる。

立脚中期には片脚支持となり、対側骨盤の落下を防ぐために立脚側の股関節外転筋(中殿筋)が働く。義足側外転筋が弱いと骨盤を水平に保てず、代償として重心を義足側へ寄せる体幹側屈(Duchenne現象様)が出る。またソケット外壁は大腿骨を外側から押し返して外転筋の作用を助ける支点となるため、外壁の高さが不足すると大腿骨が外側へ逃げて同様に体幹が義足側へ倒れる。したがって原因は外転筋力低下と外壁の高さ不足である。

✗ 1. 誤り
体重荷重線が足部内側にある。
内側荷重は内外反モーメントに影響するが、立脚中期の義足側体幹側屈の主因ではない
✗ 2. 誤り
義足が非切断肢よりも長すぎる。
長すぎる義足は遊脚期の分回し・伸び上がり(vaulting)や骨盤挙上を招くもので、立脚中期の側屈原因とは方向が異なる
✗ 3. 誤り
ソケット初期内転角が大きすぎる。
適度な初期内転角はむしろ外転筋を緊張させ側屈を防ぐ。過大でも義足側側屈の直接原因にはならない
✓ 4. 正しい
ソケット外壁の高さが不足している。
外壁で大腿骨外側を支持できず大腿骨が外方へ逃げ、体幹が義足側へ側屈する
✓ 5. 正しい
義足側股関節外転筋群に筋力低下がある。
片脚支持で骨盤を保持できず、重心を義足側へ寄せる代償性体幹側屈が生じる
ポイント
  • 立脚中期の側屈=外転筋の支持不全
  • ソケット外壁は外転筋作用を補助する支点
  • 義足が長すぎる場合は遊脚期の分回し・伸び上がりが問題
比較表
大腿義足の代表的異常歩行と原因
異常歩行主な原因
義足側への体幹側屈外転筋力低下・外壁の高さ不足・義足が短い
分回し/伸び上がり(vaulting)義足が長すぎる・膝の遊びが悪い
外転歩行内転筋ロールの痛み・内壁が高すぎる・義足が長すぎる
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