学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP60P009

理由で解く 理学療法士

QP60P009 理学療法評価学

出典:第60回理学療法士国家試験(2025)午後 問9
問題
20歳の男性。1か月前に転倒し、疼痛は軽減したが右膝関節の不安定感があり来院した。実施した検査を図に示す。この検査の対象はどれか。ただし、矢印は検査者が力を加えた方向を示す。
図
選択肢
1 前十字靱帯
2 後十字靱帯
3 内側側副靱帯
4 外側側副靱帯
5 内側半月板
解答
正解2(後十字靱帯)
解説

膝90度屈曲・足底接地位で脛骨近位部を後方へ押す後方引き出しテストは後十字靱帯(PCL)の評価法である。

図は、患者が背臥位で膝関節を約90度屈曲し足底を台に接地した状態で、検査者が両手で下腿近位部(脛骨近位)を把持し、矢印の示すとおり脛骨を後方へ押し込んでいる場面である。この「膝90度屈曲・足底接地位で脛骨近位部を後方へ押す」手技は後方引き出しテスト(posterior drawer test)であり、脛骨の後方への異常移動(後方不安定性)をみることで後十字靱帯(PCL)の損傷を評価する。同じ肢位で脛骨を前方へ引けば前方引き出しテスト(前十字靱帯の評価)となるが、本図の力の方向は後方であるため対象は後十字靱帯である。側副靱帯は外反・内反ストレステスト、半月板はMcMurrayテスト等で評価するため、いずれも本図の手技には該当しない。20歳男性・転倒後の膝不安定感という病歴とも矛盾しない。したがって正答は2。

✗ 1. 誤り
前十字靱帯
前方引き出しテスト(脛骨を前方へ牽引)の対象。本図は後方へ押す力なので該当しない
✓ 2. 正しい
後十字靱帯
膝90度屈曲・足底接地位で脛骨近位部を後方へ押し込む後方引き出しテストの対象。本図の矢印は脛骨近位から後下方を向いており、この手技と一致する
✗ 3. 誤り
内側側副靱帯
外反ストレステストの対象で、本図の前後方向の操作とは異なる
✗ 4. 誤り
外側側副靱帯
内反ストレステストの対象で、本図の操作とは異なる
✗ 5. 誤り
内側半月板
McMurrayテスト等(回旋・圧迫)の対象で、本図の引き出し操作とは異なる
ポイント
  • 後方引き出しテスト=後十字靱帯(PCL)
  • PCLは脛骨後方移動を制動
  • 前方引き出し/Lachman=前十字靱帯(ACL)
比較表
膝の靱帯検査
検査対象靱帯
前方引き出し・Lachman前十字靱帯(ACL)
後方引き出し・sag sign後十字靱帯(PCL)
外反ストレス内側側副靱帯(MCL)
内反ストレス外側側副靱帯(LCL)
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