学習トップ理由で解く 理学療法士第12章 ▸ 実地 / QP60A007

理由で解く 理学療法士

QP60A007 理学療法治療学

出典:第60回理学療法士国家試験(2025)午前 問7
問題
22歳の男性。大学の野球部に所属している。右上肢の投球動作時の違和感を訴えて受診し、理学療法が開始された。図に示す手法で伸長される筋はどれか。
図
選択肢
1 棘下筋
2 棘上筋
3 小円筋
4 前鋸筋
5 大円筋
解答
正解5(大円筋)
解説

腹臥位で上肢を前方挙上(屈曲)位に垂らし重錘で下方牽引する肢位は、肩関節伸展筋である大円筋を伸長する手技である。

図は、腹臥位(うつ伏せ)の男性の右上肢を治療台の前縁から床方向へ垂らし、手関節に重錘バンドを装着して下向きの矢印(重力・重錘による下方牽引)を示したストレッチ手技のイラストである。この肢位では肩関節が前方挙上(屈曲)位となり、重錘の荷重で屈曲がさらに強められる。屈曲によって伸長されるのは肩関節の伸展筋である。選択肢のうち、肩関節伸展(加えて内転・内旋)作用をもつのは大円筋のみであり、棘上筋(外転筋)・棘下筋/小円筋(外旋筋)・前鋸筋(肩甲骨外転筋)はこの挙上位では主たる伸長筋とならない。したがって伸長される筋は大円筋である。

✗ 1. 誤り
棘下筋
肩関節の外旋筋であり、伸長するには内旋位が必要。本図は前腕が自然に垂れているだけで内旋を強制しておらず、主たる伸長筋ではない
✗ 2. 誤り
棘上筋
肩関節の外転筋であり、伸長するには内転位が必要。本図の前方挙上位では内転させておらず、主たる伸長筋ではない
✗ 3. 誤り
小円筋
肩関節の外旋筋であり、伸長には内旋位が必要。本図の肢位には該当しない
✗ 4. 誤り
前鋸筋
肩甲骨を前方突出(外転)させる筋で、この上肢を垂らす肢位では特異的には伸長されない
✓ 5. 正しい
大円筋
肩関節の伸展・内転・内旋筋。腹臥位で上肢を前方挙上(屈曲)位に台縁から垂らし、手関節の重錘で下方へ牽引して屈曲を強めることで、伸展作用をもつ大円筋が伸長される。図が示す手技と一致する
ポイント
  • 大円筋=内旋・内転・伸展
  • 拮抗肢位(挙上+外旋)で伸長
  • 投球肩の後方タイトネス
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