学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP59P003

理由で解く 理学療法士

QP59P003 理学療法評価学

出典:第59回理学療法士国家試験(2024)午後 問3
問題
45歳の男性。足底のしびれと疼痛を感じたため病院を受診した。足底に放散する痛みを自覚し、母指外転筋の筋萎縮を認めた。この患者の内果下方で陽性となる検査はどれか。
選択肢
1 Silfverskiöld test
2 Single heel rising test
3 Thompson test
4 Tinel sign
5 Too many toes sign
解答
正解4(Tinel sign)
解説

足底の放散痛と母指外転筋の萎縮は足根管症候群を示し、絞扼部である内果下方を叩打すると放散痛が誘発されるTinel徴候が陽性となる。

足根管は内果の後下方で屈筋支帯に覆われたトンネルで、ここを脛骨神経が通り内側足底神経と外側足底神経に分かれる。この部位で脛骨神経が絞扼されると、足底のしびれと足底へ放散する痛みが出現する。母指外転筋は内側足底神経の支配筋であり、その萎縮は絞扼が足根管部にあることを裏づける局在所見となる。神経の絞扼部位を軽く叩打すると末梢へ広がる痛み・しびれが誘発され、これがTinel徴候陽性である。設問の「内果下方で陽性となる検査」という条件は、まさに足根管部でのTinel徴候に一致する。残る選択肢はアキレス腱断裂、後脛骨筋腱機能不全、下腿三頭筋の短縮を調べる検査であり、神経絞扼を捉えるものではない。

✗ 1. 誤り
Silfverskiöld test
膝伸展位と屈曲位で背屈を比べ腓腹筋短縮を鑑別する検査。神経はみない
✗ 2. 誤り
Single heel rising test
片脚踵上げで後脛骨筋腱機能不全をみる検査で、内果下方の所見ではない
✗ 3. 誤り
Thompson test
下腿三頭筋を握り足の底屈が出るかをみるアキレス腱断裂の検査
✓ 4. 正しい
Tinel sign
内果下方の足根管部を叩打し、足底へ放散する痛み・しびれを誘発する
✗ 5. 誤り
Too many toes sign
後方から足指が多く見える扁平足・後脛骨筋腱機能不全の所見
ポイント
  • 足根管症候群=脛骨神経の内果下方での絞扼
  • 母趾外転筋萎縮=内側足底神経障害
  • Tinel徴候は神経絞扼部の叩打で放散痛を誘発
比較表
足部の徒手検査と評価対象
検査評価対象
Tinel sign(内果下方)足根管症候群(脛骨神経)
Thompson testアキレス腱断裂
Single heel rising test後脛骨筋腱機能不全
Too many toes sign扁平足・後脛骨筋腱機能不全
Silfverskiöld test腓腹筋短縮の鑑別
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