学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP59P002

理由で解く 理学療法士

QP59P002 理学療法評価学

出典:第59回理学療法士国家試験(2024)午後 問2
問題
Danielsらの徒手筋力テストで肩関節屈曲の段階3を測定する際、図のような代償がみられた。代償運動を生じさせている筋はどれか。
図
選択肢
1 僧帽筋
2 棘上筋
3 大胸筋
4 上腕二頭筋
5 上腕三頭筋
解答
正解4(上腕二頭筋)
解説

肩関節屈曲の主動作筋(三角筋前部・烏口腕筋)が弱いと、上腕二頭筋(特に長頭)で肩屈曲を代償し、肘屈曲・前腕回外を伴う代償が出現する。

肩関節屈曲の主動作筋は三角筋前部線維と烏口腕筋である。段階3では抗重力位で90度まで屈曲するが、主動作筋が不十分だと肩関節前面を越える上腕二頭筋(長頭は結節間溝を通り肩甲骨関節上結節に付着)が肩屈曲を代償する。この際、二頭筋の作用として肘関節屈曲や前腕回外が同時に生じるため、肘を曲げながら肩を挙げる代償運動として観察される。図の代償肢位はこの二頭筋による代償を示す。

✗ 1. 誤り
僧帽筋
肩甲骨の挙上・内転・上方回旋を担い、肩甲骨挙上(すくめ)としての代償はあり得るが、図の肘屈曲を伴う肩屈曲代償の主因ではない
✗ 2. 誤り
棘上筋
肩関節外転の初動を担う筋で、屈曲の代償筋ではない
✗ 3. 誤り
大胸筋
肩関節の内転・内旋・水平内転が主作用で、屈曲を代償する筋ではない
✓ 4. 正しい
上腕二頭筋
長頭が肩関節前面を越えて走行し肩屈曲を補助でき、肘屈曲・前腕回外を伴う代償を生じる
✗ 5. 誤り
上腕三頭筋
肘関節伸展筋であり、肩屈曲の代償筋ではない
ポイント
  • 肩屈曲の主動作筋=三角筋前部・烏口腕筋
  • 上腕二頭筋長頭は肩関節をまたぎ屈曲を代償
  • 代償時は肘屈曲・前腕回外を伴う
比較表
肩関節屈曲に関与する筋と作用
肩での作用
三角筋前部屈曲(主動作筋)
烏口腕筋屈曲・内転(主動作筋)
上腕二頭筋長頭屈曲を補助(代償)
大胸筋鎖骨部屈曲を一部補助
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