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理由で解く 理学療法士

QP59A042 理学療法評価学

出典:第59回理学療法士国家試験(2024)午前 問42
問題
アキレス腱炎の素因となる足部の過回内(オーバープロネーション)に伴ってみられるアライメント異常の組合せで適切なのはどれか。
選択肢
1 骨盤 ― 後傾位
2 下腿 ― 内旋位
3 踵骨 ― 底屈位
4 立方骨 ― 上方偏位
5 ショパール関節—内転位
解答
正解2(下腿 ― 内旋位)
解説

アキレス腱炎は過回内(オーバープロネーション)を背景にしやすく、距骨下関節の過回内に伴い下腿は内旋する。この下腿内旋がアキレス腱への捻れ・偏心負荷を生む。

アキレス腱炎はランナーなどで過回内(過剰なプロネーション)を素因として生じやすい。距骨下関節が過度に回内すると、踵骨は外反(回内)し、距骨は内転・底屈し、舟状骨は下方へ落ち込み(navicular drop)、これと連鎖して下腿(脛骨)は内旋する。この下腿内旋と踵骨外反のミスマッチがアキレス腱に捻れと偏心的な牽引ストレスをもたらし、腱の変性・炎症を助長する。したがってアキレス腱炎でみられるアライメント異常として下腿 ― 内旋位が適切である。なお本問は元試験で正解表示が確認できなかったため、過回内の運動連鎖に基づく最も妥当な選択肢を示している。

✗ 1. 誤り
骨盤 ― 後傾位
足部局所のアキレス腱炎と直接の運動連鎖はなく典型的でない
✓ 2. 正しい
下腿 ― 内旋位
距骨下関節の過回内に連鎖して生じ、アキレス腱への捻れ負荷を増す
✗ 3. 誤り
踵骨 ― 底屈位
過回内では踵骨は外反(回内)が特徴で、単純な底屈位は該当しにくい
✗ 4. 誤り
立方骨 ― 上方偏位
過回内では中足部は下制傾向で、上方偏位は方向が逆で不適切
✗ 5. 誤り
ショパール関節—内転位
前足部外転は過回内で生じうるが、腱への直接的な捻れ負荷を説明する中心所見は下腿内旋である
本問は、厚生労働省が「問題として適切であるが、受験者レベルでは難しすぎるため」として採点対象から除外した問題で、正答は公表されていません(第59回理学療法士国家試験 午前第42問。正答値表も空欄です)。原問は「アキレス腱炎でみられるアライメント異常」としか述べていないため、発症の素因となる足部過回内のアライメント(下腿内旋位・ショパール関節外転位)と、発症後に疼痛を避けて足関節が底屈する代償のアライメント(踵骨底屈位)のどちらとも読め、正答を1つに絞れませんでした(市販の解説サイトは後者を採って「踵骨 ― 底屈位」を推定正答としています)。そこで演習として成立させるため、当方で設問文を「アキレス腱炎でみられるアライメント異常として適切なのはどれか。」→「アキレス腱炎の素因となる足部の過回内(オーバープロネーション)に伴ってみられるアライメント異常の組合せで適切なのはどれか。」に改変し、あわせて選択肢5を「ショパール関節外転位」→「ショパール関節—内転位」に改変しました(過回内では前足部は外転するため、原問のままでは選択肢2と5の2つが正しくなってしまうからです)。なお公式問題の設問文は「アキレス腱炎でみられるアライメント異常の組合せで適切なのはどれか。」、選択肢は「骨盤 ― 後傾位」のように部位とアライメントを組み合わせた表記であり、当方の収載時に落ちていたこの「組合せ」の表記も公式に合わせて戻しています。
ポイント
  • アキレス腱炎の素因=過回内(オーバープロネーション)
  • 過回内の連鎖:踵骨外反→距骨内転底屈→舟状骨下制→下腿内旋
比較表
距骨下関節の過回内で生じる運動連鎖
部位変化
踵骨外反(回内)
距骨内転・底屈
舟状骨下制(navicular drop)
下腿(脛骨)内旋
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