学習トップ / 理由で解く 理学療法士 / 第11章 ▸ 実地 / QP59A013
理由で解く 理学療法士
感覚障害がなく(純運動枝)、手指伸展は著明低下だが手関節伸展は比較的保たれ、回外筋・総指伸筋・長母指伸筋が障害される所見は、橈骨神経深枝(後骨間神経)麻痺に一致する。
後骨間神経は橈骨神経の深枝で、回外筋を貫いた後の純運動神経であり皮膚感覚を支配しない。したがって手指伸展障害があっても感覚障害がない点が診断の鍵となる。手関節伸展(MMT4)が比較的保たれるのは、手関節橈側伸展を担う長橈側手根伸筋(ECRL)が後骨間神経の分岐より近位で橈骨神経本幹から直接支配を受けるためで、手関節は橈屈しながら伸展できる(総指伸筋・尺側手根伸筋は麻痺するため下垂指=finger dropとなる)。針筋電図で回外筋・総指伸筋・長母指伸筋に脱神経電位を認めることも、これらすべてを支配する後骨間神経の障害を裏づける。前腕打撲後に回外筋部(フローゼのアーケード)で絞扼・麻痺を生じたと考えられる。
| 神経 | 運動麻痺 | 手関節伸展 | 感覚障害 |
|---|---|---|---|
| 橈骨神経本幹 | 下垂手(手・指伸展不能) | 不能(下垂手) | あり(手背橈側) |
| 後骨間神経 | 下垂指(手指伸展不能)・回外筋麻痺 | 保たれる(ECRL温存で橈屈伸展) | なし |
| 前骨間神経 | 長母指屈・示指DIP屈曲不能(涙のしずく) | 正常 | なし |
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