学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP59A014

理由で解く 理学療法士

QP59A014 理学療法評価学

出典:第59回理学療法士国家試験(2024)午前 問14
問題
6歳の男児。二分脊椎。歩行時の様子を図に示す。予測されるSharrardの分類の上限はどれか。
図
選択肢
1 Ⅰ群
2 Ⅱ群
3 Ⅲ群
4 Ⅳ群
5 Ⅴ群
解答
正解2(II群)
解説

骨盤帯付き長下肢装具(HKAFO)+歩行器で歩く二分脊椎児は、股関節周囲筋が働き始めるL1〜L2レベル=Sharrard II群と予測される。

図では6歳男児が前輪付き歩行器を両手で把持し、両下肢に膝継手付き長下肢装具+骨盤帯を装着(=骨盤帯付き長下肢装具:HKAFO)して立位・歩行している。Sharrardの分類は二分脊椎の運動麻痺レベルによる分類で、群番号が小さいほど高位(重症)である。骨盤帯付き長下肢装具+歩行器での歩行は、股関節周囲筋(腸腰筋・股関節内転筋)が働き始めるL1〜L2レベル=II群に相当する。下肢完全麻痺のI群では実用的な歩行は困難で立位保持装置・車椅子が中心となるため、歩行器で実際に歩けている本児の重症度の「上限」はII群と予測される。より遠位のⅢ群(大腿四頭筋あり)以下では骨盤帯付き長下肢装具は不要となり、装具の高さも下がる。したがって正答はII群。

✗ 1. 誤り
Ⅰ群
I群(胸髄〜L1レベル):下肢は完全麻痺で股関節周囲筋も働かず、実用的な歩行は困難で立位保持装置・車椅子が中心。図の児は歩行器で実際に立って歩いており、この重症度は当てはまらない。
✓ 2. 正しい
Ⅱ群
II群(L1〜L2レベル、腸腰筋・股関節内転筋が機能し始める):骨盤帯付き長下肢装具(HKAFO)+歩行器で歩行する段階に一致。図はまさにHKAFO装着・歩行器歩行であり、予測される分類の上限はここ。
✗ 3. 誤り
Ⅲ群
Ⅲ群(L3〜L4レベル、大腿四頭筋が機能し膝伸展保持が可能):骨盤帯を要さない長下肢装具(KAFO)で歩行できる段階。図は骨盤帯付き装具のため、これより高位(重症)。
✗ 4. 誤り
Ⅳ群
IV群(L4〜L5レベル、前脛骨筋などが機能し足背屈可能):短下肢装具(AFO)で歩行可能な段階。図の骨盤帯付き長下肢装具とは一致しない。
✗ 5. 誤り
Ⅴ群
V群(S1以下、下腿三頭筋が機能し足底屈可能):装具はほぼ不要〜足部装具程度で独歩可能。図の装具・歩行様式と一致しない。
ポイント
  • Sharrard分類=残存髄節(麻痺レベル)による分類、上位群ほど重症
  • II群=L2〜L3、股屈曲・内転+膝伸展一部、大型装具+杖歩行
  • III群=L4〜L5、大腿四頭筋強で短下肢装具歩行が可能
  • 装具の種類・支持性から麻痺レベルを推定する
比較表
Sharrard分類(二分脊椎)の概要
髄節レベル残存機能・歩行
I群胸髄〜L1下肢ほぼ完全麻痺、車椅子
II群L2〜L3股屈曲・内転+膝伸展一部、大型装具+杖歩行
III群L4〜L5大腿四頭筋強・前脛骨筋、短下肢装具歩行
IV群L5〜仙髄中殿筋・下腿三頭筋一部、装具最小限
V群仙髄以下ほぼ正常歩行
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