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理由で解く 理学療法士

QP58P035 理学療法治療学

出典:第58回理学療法士国家試験(2023)午後 問35
問題
広範囲III度熱傷の受傷後12時間以内に生じやすいのはどれか。
選択肢
1 集中治療室獲得性筋力低下〈ICU-AW〉
2 骨化性筋炎
3 肥厚性瘢痕
4 関節拘縮
5 浮腫
解答
正解5(浮腫)
解説

広範囲熱傷の受傷直後(24時間以内)は毛細血管透過性亢進により血漿成分が組織へ漏出し、著明な浮腫と循環血液量減少性ショックが生じる。

広範囲III度熱傷では、受傷直後から炎症性メディエーターの放出により毛細血管透過性が亢進し、血管内の水分・タンパクが間質へ漏出する。その結果、受傷後数時間〜24時間以内に全身性の浮腫が急速に進行し、循環血液量が減少して熱傷ショック(バーンショック)に至る。この時期の輸液管理が重要となる。したがって12時間以内に生じやすいのは浮腫である。他の選択肢はいずれも受傷後日〜週単位以降に問題となる合併症である。

✗ 1. 誤り
集中治療室獲得性筋力低下〈ICU-AW〉
重症・長期臥床/人工呼吸管理の経過中に生じる神経筋障害で、受傷直後には起こらない
✗ 2. 誤り
骨化性筋炎
軟部組織の異所性骨化で、発症は受傷後数週間以降
✗ 3. 誤り
肥厚性瘢痕
創治癒後、数週〜数か月の瘢痕成熟過程で形成される
✗ 4. 誤り
関節拘縮
瘢痕収縮や不動により経過とともに生じる後期合併症
✓ 5. 正しい
浮腫
毛細血管透過性亢進による血漿漏出で受傷直後(12時間以内)に急速に生じる
ポイント
  • 受傷直後(〜24時間)=血管透過性亢進→浮腫・熱傷ショック
  • 急性期は輸液管理(循環血液量維持)が最重要
  • 拘縮・肥厚性瘢痕・骨化性筋炎・ICU-AWは後期の合併症
比較表
熱傷の時期別の主な問題
時期問題
受傷直後〜24時間浮腫・循環血液量減少性(熱傷)ショック
数日〜数週感染・ICU-AW
数週〜数か月肥厚性瘢痕・瘢痕拘縮・関節拘縮・骨化性筋炎
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