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理由で解く 理学療法士

QP58P003 理学療法評価学

出典:第58回理学療法士国家試験(2023)午後 問3
問題
80歳の男性。胸部CTを図に示す。この患者で低下が予想されるのはどれか。
図
選択肢
1 1秒率
2 残気量
3 気道抵抗
4 全肺気量
5 肺コンプライアンス
解答
正解1(1秒率)
解説

肺気腫(COPD)では1秒率のみが低下し、残気量・気道抵抗・全肺気量・肺コンプライアンスはいずれも増加する。

胸部CT(肺野条件・軸位像)では、両側肺野の透過性亢進、末梢肺血管影の減少・狭小化、肺の過膨張がみられ、肺気腫(COPD)を示す所見である。肺気腫は閉塞性換気障害を呈し、努力呼気時に末梢気道が虚脱するため空気を吐き出しにくくなる。その結果、1秒率(FEV1/FVC)は低下する。一方、air trappingにより残気量・全肺気量は増加し、気道の閉塞・虚脱で気道抵抗は増加、肺胞壁破壊による弾性収縮力の低下で肺コンプライアンスも増加する。したがって、この患者で「低下が予想される」のは1秒率のみであり、正答は1である。

✓ 1. 正しい
1秒率
肺気腫(COPD)では閉塞性換気障害となり、努力呼気で気道が虚脱するため1秒率(FEV1/FVC)が低下する。5項目の中で唯一「低下」する
✗ 2. 誤り
残気量
肺胞の破壊と気道虚脱でエアートラッピングが生じ、残気量は増加する
✗ 3. 誤り
気道抵抗
末梢気道の閉塞・虚脱により気道抵抗は増加する
✗ 4. 誤り
全肺気量
肺の過膨張により全肺気量は増加する。画像でも肺野の透過性亢進・過膨張所見がみられる
✗ 5. 誤り
肺コンプライアンス
肺胞壁の破壊で弾性収縮力が低下するため、肺コンプライアンスは増加する
ポイント
  • 肺気腫=閉塞性障害で1秒率低下
  • 残気量・全肺気量・気道抵抗は増加
  • 弾性収縮力低下でコンプライアンス増加
比較表
肺気腫(COPD)での呼吸機能変化
指標変化
1秒率(FEV1.0%)低下↓
残気量・全肺気量増加↑
気道抵抗増加↑
肺コンプライアンス増加↑
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