学習トップ理由で解く 理学療法士第12章 ▸ 実地 / QP58A009

理由で解く 理学療法士

QP58A009 理学療法治療学

出典:第58回理学療法士国家試験(2023)午前 問9
問題
55歳の女性。趣味でジョギングを行っている。変形性膝関節症に対して手術療法が行われた。術後のエックス線写真を図に示す。術後の理学療法で正しいのはどれか。
図
選択肢
1 金属を抜いてからスポーツ復帰する。
2 骨癒合が得られるまで完全免荷とする。
3 術後から外側が高い楔状足底挿板を使用する。
4 術後早期から大腿四頭筋の筋力増強運動を行う。
5 術後2週の安静後に患側膝関節の可動域練習を開始する。
解答
正解4(術後早期から大腿四頭筋の筋力増強運動を行う。)
解説

脛骨近位内側にプレート内固定を認める内側開大式高位脛骨骨切り術(HTO)の術後像で、強固な固定により術後早期から大腿四頭筋筋力増強・可動域練習・段階的荷重を進める。

エックス線写真は左膝で、脛骨近位内側にプレートとスクリューによる内固定が装着され、骨切り部が楔状に開大した内側開大式高位脛骨骨切り術(HTO)の術後像である。HTOは内側型変形性膝関節症に対し、荷重軸を外側へ移して自身の膝関節を温存する術式で、ジョギングなどスポーツ復帰も可能な点で本症例(55歳・趣味でジョギング)に適する。強固なプレート内固定が得られているため、術後は完全免荷(選択肢2)ではなく段階的な部分荷重を進め、可動域練習も早期から開始する(選択肢5は誤り)。抜釘を待たずに段階的なスポーツ復帰が可能で(選択肢1は誤り)、内反を矯正した術後に外側楔状足底板を追加する必要はない(選択肢3は誤り)。したがって、術後早期からの大腿四頭筋筋力増強運動(選択肢4)が正しい。

✗ 1. 誤り
金属を抜いてからスポーツ復帰する。
画像はプレートとスクリューによる強固な内固定を示す。抜釘前でも段階的にスポーツ復帰は可能であり、抜釘を待つ必要はない
✗ 2. 誤り
骨癒合が得られるまで完全免荷とする。
強固なプレート内固定が得られており、段階的な部分荷重が可能。完全免荷とする必要はない
✗ 3. 誤り
術後から外側が高い楔状足底挿板を使用する。
外側楔状足底板は術前の内側型変形性膝関節症に対する保存療法。骨切りで内反変形を矯正した術後には適応外
✓ 4. 正しい
術後早期から大腿四頭筋の筋力増強運動を行う。
強固な内固定により術後早期から大腿四頭筋の(等尺性)筋力増強運動が可能。廃用予防のためにも早期に行うべきで正しい
✗ 5. 誤り
術後2週の安静後に患側膝関節の可動域練習を開始する。
強固な内固定のため術後早期から可動域練習を開始すべきで、2週間の安静は不要
ポイント
  • HTOは内反変形を矯正し内側荷重を軽減する関節温存術
  • 内固定下で早期から筋力増強・ROM・段階的荷重
  • 完全免荷や長期安静は廃用・拘縮を招く
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