学習トップ理由で解く 理学療法士第12章 ▸ 実地 / QP57P007

理由で解く 理学療法士

QP57P007 理学療法治療学

出典:第57回理学療法士国家試験(2022)午後 問7
問題
現時点で最も導入を検討すべき装具はどれか。
選択肢
1 長対立装具
2 ナックルベンダー
3 IP関節伸展補助装具
4 母指Z変形用スプリント
5 コックアップ・スプリント
解答
正解2(ナックルベンダー)
解説

尺骨神経麻痺による鷲手(MP過伸展・IP屈曲)にはMP屈曲を補助しMP過伸展を防ぐナックルベンダー(虫様筋バー型抗鷲手装具)が適応。

尺骨神経麻痺では第3・4虫様筋と骨間筋の麻痺によりMP関節が過伸展しIP関節が屈曲する鷲手変形をきたす。これを矯正・予防するにはMP関節の過伸展を制限しMP屈曲を補助する装具が必要で、ナックルベンダー(knuckle bender/虫様筋バー付き抗鷲手スプリント)が適応となる。MP屈曲位を保持することで指伸筋の力がIP伸展に伝わり、指全体の伸展運動も改善する。したがって正答は2。

✗ 1. 誤り
長対立装具
正中神経麻痺の母指対立再建など、母指のポジショニング用で本病態に不適
✓ 2. 正しい
ナックルベンダー
MP過伸展を防ぎMP屈曲を補助する抗鷲手装具で尺骨神経麻痺の鷲手に適応
✗ 3. 誤り
IP関節伸展補助装具
IP伸展を補助する装具で、鷲手のMP過伸展制御という主目的に合わない
✗ 4. 誤り
母指Z変形用スプリント
関節リウマチの母指Z変形に用いる装具で病態が異なる
✗ 5. 誤り
コックアップ・スプリント
橈骨神経麻痺の下垂手に対する手関節背屈保持装具で適応外
ポイント
  • 尺骨神経麻痺=鷲手(MP過伸展・IP屈曲)
  • ナックルベンダーでMP過伸展を制限しMP屈曲を補助
  • MP屈曲保持で指伸展が改善
比較表
末梢神経麻痺と代表的装具
麻痺変形装具
尺骨神経鷲手ナックルベンダー
正中神経猿手長対立装具
橈骨神経下垂手コックアップ・スプリント
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