学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP57P005

理由で解く 理学療法士

QP57P005 理学療法評価学

出典:第57回理学療法士国家試験(2022)午後 問5
問題
Down症候群の乳幼児期に特徴的な座位姿勢はどれか。
図
選択肢
1 1
2 2
3 3
4 4
5 5
解答
正解2(2)
解説

Down症候群=全身性の低緊張+関節弛緩。乳幼児期の座位は「腹筋低緊張→体幹前屈+腰椎前弯+両手で床を支持し支持基底面を拡大」が特徴。背臥位の蛙肢位(股関節外転・外旋)と座位を混同しないこと。割り座(股関節内転・内旋)は痙直型脳性麻痺の代表的座位で、内転内旋を助長するため両麻痺児には推奨されない。

Down症候群は21トリソミーにより全身の筋緊張低下(低緊張)と関節弛緩を呈する。座位では腹筋群の緊張が低く体幹を垂直に保持できないため、代償として体幹を前方に屈曲させ、腰椎前弯を伴いながら両手を床について支持基底面を広げて座る(選択肢2)。ハムストリングスの伸張性も高いため、膝関節伸展位のまま容易に体幹が前屈できるのも特徴で、これがDown症乳幼児に典型的な「前かがみ・両手支持の広い座位」である。よって公式正答[2]は妥当。他肢は、1が手支持なしで体幹回旋も行える腹筋機能の保たれた健常児の安定座位、3が股関節の屈曲・内転・内旋と尖足を伴う痙直型脳性麻痺の座位、4が両手を脚の前につき足で遊ぶ健常乳児の探索姿勢、5が股関節内転・内旋を助長する割り座(痙直型両麻痺に多い)で、いずれもDown症乳幼児に特徴的な座位とはいえない。

✗ 1. 誤り
1
安定した対称座位(健常児):体幹を起こし玩具を両手で持ち、手支持なしで座れる。腹筋が十分機能した正常座位でDown症の低緊張座位ではない
✓ 2. 正しい
2
前傾・両手床支持の広い座位(Down症候群):全身の低緊張と腹筋の緊張低下で体幹を垂直保持できず、膝関節伸展位のまま体幹を前屈させ、腰椎前弯を伴って両手で床を支持し支持基底面を広げる。乳幼児期Down症に特徴的な座位
✗ 3. 誤り
3
股関節屈曲・内転・内旋の座位(痙直型脳性麻痺):下肢を挙上・膝屈曲し股関節が内転・内旋、尖足を伴いやすい痙直型CPに多い姿勢でDown症ではない
✗ 4. 誤り
4
足を触る前屈座位(健常児):両手を脚の前につき自分の足で遊ぶ健常乳児の探索姿勢で、Down症に特徴的とはいえない
✗ 5. 誤り
5
股関節を大きく開いた対称座位=割り座(痙直型脳性麻痺):股関節内転・内旋を助長する割り座で痙直型両麻痺児に多く、低緊張のDown症に特徴的な座位ではない(誤)※線画上は股関節外転・外旋の蛙肢位様にも見える
ポイント
  • Down症候群=筋緊張低下+関節過可動性
  • 支持基底面を広くとる開脚座位
  • 骨盤後傾・脊柱後彎で体幹が崩れる
比較表
Down症候群乳幼児の運動発達上の特徴
所見内容
筋緊張低下(floppy infant)
関節過可動性・靱帯弛緩
座位姿勢開脚・脊柱後彎で不安定
発達運動マイルストーンの遅延
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