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理由で解く 理学療法士

QP57P001 基礎理学療法学

出典:第57回理学療法士国家試験(2022)午後 問1
問題
プラットホームが後方へ動いたときの姿勢の変化と筋活動を図に示す。外乱に対して最も早く筋活動が観察された筋①に相当するのはどれか。
図
選択肢
1 脊柱起立筋
2 前脛骨筋
3 ハムストリングス
4 腓腹筋
5 腹直筋
解答
正解4(腓腹筋)
解説

プラットホーム後方移動→身体前方動揺では後面筋が遠位から近位へ順に活動し、最初(筋①)に働くのは足関節底屈筋の腓腹筋である。

図左は、プラットホームが後方(外乱方向=左)へ移動したときの姿勢変化を示す。外乱時には足が後方へ運ばれ、慣性で残る上体が相対的に前方へ動揺している(頭部が前方へ倒れる)。これに対し身体を後方へ引き戻すには足関節を底屈させる必要があり、後面の筋群が遠位(足関節)から近位(体幹)へ向かって順に活動する(足関節戦略/distal-to-proximal)。図右のEMGでは筋①が最も早く(約100 msec)活動を開始し、続いて筋②、筋③の順で遅れる。筋④・筋⑤はほぼ活動していない。この順序は、腓腹筋(筋①)→ハムストリングス(筋②)→脊柱起立筋(筋③)に対応し、前面の前脛骨筋・腹直筋(筋④・筋⑤)は拮抗筋として静止する。したがって最も早く活動する筋①は足関節底屈筋の腓腹筋であり、正答は選択肢4。

✗ 1. 誤り
脊柱起立筋
後方外乱で前方動揺した体幹を戻す後面の抗重力筋だが、遠位→近位の順で活動するため最も遅く働く(筋③に相当)。最速の筋①ではない
✗ 2. 誤り
前脛骨筋
足関節背屈筋。身体が前方へ動揺する本外乱では拮抗筋となり働かない。図の筋④・筋⑤のようにほぼ無活動
✗ 3. 誤り
ハムストリングス
後方外乱で活動する後面筋群だが、腓腹筋の次(筋②に相当)に働き最速ではない
✓ 4. 正しい
腓腹筋
足関節底屈筋。プラットホーム後方移動→身体前方動揺に対し、足関節を底屈させ身体を引き戻すため遠位から最初に活動する。最速の筋①に相当
✗ 5. 誤り
腹直筋
体幹前面の屈筋。前方動揺では働かず、図の筋④・筋⑤のようにほぼ無活動
ポイント
  • 支持面後方移動=前方動揺→身体後面筋が活動
  • 足関節戦略は遠位→近位の連鎖
  • 最初に活動するのは腓腹筋(底屈筋)
比較表
支持面外乱の方向と姿勢反応
プラットホーム移動身体動揺方向最初に活動する筋
後方へ移動前方へ動揺腓腹筋(後面遠位)
前方へ移動後方へ動揺前脛骨筋(前面遠位)
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