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理由で解く 理学療法士

QP57A043 理学療法治療学

出典:第57回理学療法士国家試験(2022)午前 問43
問題
ポストポリオ症候群で正しいのはどれか。
選択肢
1 疼痛を伴うことは少ない。
2 発症年齢は10歳以下が多い。
3 罹患筋の運動単位数は減少している。
4 非麻痺側に新たな筋力低下は起こらない。
5 MMT3レベル以下の新たな筋力低下に対して筋力増強運動を行う。
解答
正解3(罹患筋の運動単位数は減少している。)
解説

ポストポリオ症候群は罹患から数十年後に新たな筋力低下・易疲労・疼痛を来す病態。前角細胞が失われた分だけ運動単位数はもともと減っており、過用は禁物である。

急性灰白髄炎(ポリオ)では脊髄前角細胞が障害され、その支配筋の運動単位数は永続的に減少する。生き残った運動ニューロンが軸索側枝を伸ばして脱神経筋を再支配し、1つの運動単位が肥大することで筋力が保たれてきた。しかし罹患から15〜40年を経ると、この過大になった運動単位を維持できなくなり、新たな筋力低下・筋萎縮・易疲労が出現する。これがポストポリオ症候群であり、罹患筋の運動単位数は健常者より減少しているとする選択肢3が正しい。症状としては筋痛・関節痛などの疼痛が高率にみられ、発症するのはポリオ罹患から数十年後の中高年である。急性期に麻痺が目立たず一見健常にみえた側にも前角細胞の障害は及んでおり、非麻痺側にも新たな筋力低下は起こり得る。治療の原則は過用(オーバーユース)の回避で、MMT3レベル以下まで低下した筋に筋力増強運動を課すと過用性筋力低下を招くため行わない。

✗ 1. 誤り
疼痛を伴うことは少ない。
筋痛・関節痛は主要症状で、疼痛を訴える例はむしろ多い
✗ 2. 誤り
発症年齢は10歳以下が多い。
ポリオ罹患は小児期でも、PPSの発症は罹患後数十年の中高年
✓ 3. 正しい
罹患筋の運動単位数は減少している。
前角細胞が失われたままで、罹患筋の運動単位数は減少している
✗ 4. 誤り
非麻痺側に新たな筋力低下は起こらない。
一見健常な非麻痺側にも障害は潜み、新たな筋力低下は起こり得る
✗ 5. 誤り
MMT3レベル以下の新たな筋力低下に対して筋力増強運動を行う。
MMT3レベル以下の筋への筋力増強は過用性筋力低下を招き行わない
ポイント
  • PPS=ポリオ罹患後数十年で新たな筋力低下・易疲労・疼痛
  • 運動単位数は減少(前角細胞障害+補償の破綻)
  • 過用(オーバーユース)を避けるのが原則
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