学習トップ / 理由で解く 理学療法士 / 第12章 ▸ 実地 / QP57A008
理由で解く 理学療法士

踵骨骨折の経皮的鋼線(Kワイヤー)固定では、足関節・距骨下関節の運動と荷重は制限するが、固定範囲から外れた膝関節は術後翌日から可動域練習を行える。
側面像では踵部後方から3本のKワイヤーが刺入され、踵骨内でX字状に交差し、1本は距骨側へ、1本は前足部方向へ抜けている。鋼線の末端は皮外で折り曲げられており、経皮的鋼線固定に外固定を併用した術直後の状態である。この固定は踵骨と距骨下(距踵)関節・足関節近傍を貫くため、距腿関節の可動域練習(選択肢1)はワイヤーと外固定に妨げられ、整復位を崩す危険があって術後翌日には行えない。踵骨は体重を直接受け止める骨であり、鋼線だけの固定では荷重に耐える強度がなく、術後翌日の部分荷重(選択肢3)は転位を招く。距踵関節は骨折した踵骨が作る関節そのもので、等尺性収縮であっても周囲筋が踵骨を牽引するため、術後1週での運動(選択肢4)は早すぎる。これに対し膝関節は骨折・固定部位から離れた近位関節で、鋼線固定の影響をまったく受けない。したがって廃用や拘縮を防ぐ目的で術後翌日から膝関節の可動域練習を始めるのが正しい。なおMP関節(中足趾節関節)も鋼線の固定範囲外で制動されておらず術後早期から動かせるので、「術後2週から」と遅らせる選択肢5は誤りである。
| 介入 | 早期の可否 | 理由 |
|---|---|---|
| 膝関節ROM | 可 | 骨折部に無関係 |
| 足趾(MP)ROM | 可(早期から) | 廃用・浮腫予防 |
| 距腿・距踵関節ROM | 不可 | 骨折部へのストレス |
| 荷重 | 不可(数週後に段階的) | 整復位の保持 |
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