学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP57A006

理由で解く 理学療法士

QP57A006 理学療法評価学

出典:第57回理学療法士国家試験(2022)午前 問6
問題
78歳の男性。脳梗塞。左顔面神経麻痺および右片麻痺を呈する。頭部MRIの拡散強調像を図に示す。梗塞巣として考えられるのはどれか。
図
選択肢
1
2
3
4
5
解答
正解4(4)
解説

左の末梢性顔面神経麻痺と右片麻痺という交代性片麻痺は橋病変を示す。左橋腹側に高信号を認める④が梗塞巣である。

一側の脳神経麻痺と対側の片麻痺が同時に現れる交代性片麻痺は、脳幹病変を強く示唆する所見である。顔面神経の核と線維は橋にあるため、左橋腹側の病変では同側である左の末梢性顔面神経麻痺が生じる。同じ部位を下行する皮質脊髄路は錐体交叉より上位にあたるので、その障害は対側である右の片麻痺となる(Millard-Gubler症候群)。④の中部脳幹小脳レベルでは左橋腹側に円形の高信号があり、この病態にそのまま合致する。①の放線冠レベルと②の大脳基底核レベルはいずれも左のテント上病変で、右片麻痺は説明できるが顔面の麻痺は中枢性で右下顔面に出るため、左の末梢性顔面神経麻痺は生じない。③の上部脳幹小脳レベルの高信号は左小脳にあり、主症状は同側の運動失調である。⑤の下部脳幹小脳レベルの高信号は患者の右側にあり、麻痺の左右が症例と逆になる。

✗ 1. 誤り
左放線冠の高信号。テント上病変では顔面麻痺も中枢性で右側となり症例と合わない
✗ 2. 誤り
左大脳基底核から内包付近の高信号。テント上病変で交代性片麻痺は説明できない
✗ 3. 誤り
左小脳の高信号。小脳病変の主症状は同側の運動失調で麻痺の説明にならない
✓ 4. 正しい
左橋腹側の高信号。左の末梢性顔面神経麻痺と右片麻痺の組合せに合致する
✗ 5. 誤り
下部脳幹の右側の高信号。麻痺の左右が逆になり症例と合致しない
ポイント
  • 交代性片麻痺(同側顔面麻痺+対側片麻痺)=脳幹(橋)病変
  • 顔面神経核は橋、末梢性顔面麻痺は同側・額も麻痺
  • Millard-Gubler症候群=橋腹側の障害
比較表
顔面神経麻痺の中枢性と末梢性の鑑別
項目中枢性(核上性)末梢性(核・核下性)
額のしわ寄せ保たれる麻痺する
病巣側との関係対側顔面が麻痺同側顔面が麻痺
代表病巣大脳皮質・内包橋・顔面神経
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