学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP57A014

理由で解く 理学療法士

QP57A014 理学療法評価学

出典:第57回理学療法士国家試験(2022)午前 問14
問題
13歳の男子。7歳から野球を始め、中学生から投手となった。投球動作中に右肘に痛みを感じるようになり、病院を受診した。理学療法評価時、肘関節の外反ストレステストを実施したところ、肘関節の内側に疼痛が誘発された。痛みが出現する動作はどれか。
図
選択肢
1 1
2 2
3 3
4 4
5 5
解答
正解4(4)
解説

内側型野球肘の疼痛は、肘への外反ストレスが最大となる後期コッキング期(肩最大外旋位)で誘発される。

図は投球動作を5つの局面に分けた連続図で、1は両手を頭上に構えたワインドアップ、2は踏み出し脚を高く挙げた早期コッキング、3は踏み出し脚を前方へ振り出して接地する局面、4は踏み出し脚が接地して投球側の肩が最大外旋・肘が屈曲した後期コッキング、5はボールを投げ切ったフォロースルーである。本症例は7歳から投球を続ける中学生投手で、外反ストレステストにより肘内側部痛が誘発されており、内側側副靱帯や内側上顆に負担のかかる内側型野球肘が疑われる。投球で肘内側への牽引(外反)ストレスが最大になるのは、体幹が前方へ回旋するのに対し上腕が後方に取り残され、肩が最大外旋位をとる後期コッキング期からアクセラレーション初期にかけてである。この局面では肘内側の靱帯や屈筋回内筋群の付着部が強く引き伸ばされ、外反ストレステストと同じ方向の力が加わるため疼痛が出現する。1と2はまだ投球の準備段階で上肢に大きな負荷はかからない。3も接地直後で肩の外旋がまだ最大に達しておらず、肘の外反ストレスはピークに達していない。5では既にボールが手を離れ、肘には外反ではなく減速に伴う伸展・牽引のストレスが加わる局面である。したがって痛みが出現するのは4である。

✗ 1. 誤り
1
ワインドアップ期。両手を頭上に構えた立位で、肘に外反ストレスはかからない
✗ 2. 誤り
2
早期コッキング期。踏み出し脚を高く挙げた準備局面で、肘への負荷は小さい
✗ 3. 誤り
3
踏み出し脚を振り出して接地する局面。肩の外旋も肘の外反もまだ最大ではない
✓ 4. 正しい
4
後期コッキング期。肩最大外旋位で肘内側への外反ストレスが最大となり疼痛が出る
✗ 5. 誤り
5
フォロースルー期。ボールは既に手を離れ、肘外反ストレスのピークは過ぎている
ポイント
  • 外反ストレスで内側痛=内側型野球肘(MCL・内側上顆)
  • 肘外反ストレス最大は後期コッキング〜加速期
  • 成長期は内側上顆骨端の裂離にも注意
比較表
野球肘のタイプと障害部位
タイプストレス主な障害部位
内側型外反・牽引内側側副靱帯、内側上顆(骨端)
外側型圧迫上腕骨小頭(離断性骨軟骨炎)
後方型伸展・衝突肘頭、肘頭窩
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 理学療法士
App Store入手