学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP57A017

理由で解く 理学療法士

QP57A017 理学療法評価学

出典:第57回理学療法士国家試験(2022)午前 問17
問題
65歳の男性。間質性肺炎。労作時呼吸困難、咳を主訴に来院した。3年前から歩行時の呼吸困難が増悪した。1か月前から咳、労作時の呼吸困難の悪化を認め入院となった。入院時、心電図は洞調律。血液検査ではCRP 3.1mg/dL(基準値:0.3mg/dL未満)、KL-6 790U/mL(基準値500U/mL未満)であった。理学療法評価では、mMRC息切れスケールはグレード3。筋力はMMT上下肢4、6分間歩行テストは200mであった。
この患者の胸部CTとして最も可能性が高いのはどれか。
図
選択肢
1
2
3
4
5
解答
正解4(4)
解説

間質性肺炎(UIPパターン)の胸部CTは、胸膜下・肺底部優位の網状影、蜂巣肺、牽引性気管支拡張が三徴。KL-6高値もこれを裏づける。

本症例は65歳男性で、3年かけて労作時呼吸困難が進行し、1か月前から咳と息切れが悪化して入院した。KL-6は790U/mL(基準値500U/mL未満)と高く、II型肺胞上皮の傷害を反映する間質性肺疾患のマーカーとして矛盾しない。mMRC息切れスケールはグレード3、6分間歩行200mと運動耐容能も高度に低下しており、慢性に進行した肺の線維化を示すCT所見を探すことになる。④は胸膜下・末梢優位の粗い網状影に加え、小嚢胞が層をなす蜂巣肺と牽引性気管支拡張を認め、通常型間質性肺炎(UIP)の典型像で、この臨床経過と最もよく一致する。①は両肺とも含気が良好で血管影も整い、網状影も蜂巣肺もみられず、間質性肺炎の所見に乏しい。②は肺の容積が小さく肺門周囲に淡い索状影を認めるのみで、胸膜下優位の網状影や蜂巣肺は認めない。③は両肺にびまん性のすりガラス影と浸潤影が広がる肺胞性パターンで、肺水腫や広範な肺炎など急性の病態を示し、慢性の線維化像ではない。⑤は境界の薄い大きな低吸収域(ブラ)が多発して血管影が疎であり、肺気腫の像である。したがって最も可能性が高いのは④である。

✗ 1. 誤り
含気良好で血管影も整い、網状影や蜂巣肺がない。間質性肺炎の所見に乏しい
✗ 2. 誤り
肺容積の低下と肺門周囲の淡い陰影のみ。胸膜下優位の網状影や蜂巣肺はない
✗ 3. 誤り
びまん性のすりガラス影・浸潤影が主体の肺胞性パターン。慢性の線維化像ではない
✓ 4. 正しい
胸膜下優位の粗い網状影+蜂巣肺+牽引性気管支拡張のUIPパターンで臨床像と一致
✗ 5. 誤り
境界の薄い大きな低吸収域(ブラ)が多発する肺気腫の像。間質の線維化ではない
ポイント
  • 間質性肺炎=KL-6高値、拘束性換気障害
  • UIPパターンCT=胸膜下・下肺野優位の網状影+蜂巣肺
  • 牽引性気管支拡張を伴う
比較表
びまん性肺疾患のCTパターン
病態代表的CT所見
間質性肺炎(UIP)胸膜下・下肺野優位の網状影+蜂巣肺
過敏性肺炎・NSIPすりガラス影優位
肺炎(細菌性)区域性のコンソリデーション
肺気腫(COPD)低吸収域・気腫性変化
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