学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP57A004

理由で解く 理学療法士

QP57A004 理学療法評価学

出典:第57回理学療法士国家試験(2022)午前 問4
問題
関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で正しいのはどれか。2つ選べ。
図
選択肢
1 胸腰部屈曲
2 頸部屈曲
3 肩甲帯挙上
4 手屈曲
5 母指橈側外転
解答
正解1(1)、4(4)
解説

図の正誤は基本軸(太線)・移動軸(細線)・運動面の3点が基準どおりかで判定する。基準に一致するのは胸腰部屈曲と手屈曲の2図である。

日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会の関節可動域測定法に照らして、図が基準どおりに描かれているものを2つ選ぶ。胸腰部屈曲は基本軸=仙骨後面、移動軸=第1胸椎棘突起と第5腰椎棘突起を結ぶ線で、体幹を側面から描いた図1は両軸とも基準に一致する。手屈曲(掌屈)は基本軸=橈骨、移動軸=第2中手骨で、前腕を中間位に保ったまま手部を掌側へ動かす図4も基準どおりである。頸部屈曲の基本軸は肩峰を通る床への垂直線、移動軸は外耳孔と頭頂を結ぶ線であるが、図2の細線は頭頂を通らず頭部を前後に横切っており基準と一致しない。肩甲帯挙上の基本軸は左右の肩峰を結ぶ線(水平)、移動軸は肩峰と胸骨上縁を結ぶ線であるが、図3は基本軸を脊柱に沿う垂直線として描いている。母指橈側外転は基本軸=示指、移動軸=母指で手掌面内を動く運動だが、図5は母指を手掌面に垂直な方向へ動かしており、これは掌側外転の運動面である。橈側外転と掌側外転は軸が同じで運動面だけが違うため、図では運動の向きまで確かめる必要がある。

✓ 1. 正しい
胸腰部屈曲
基本軸=仙骨後面、移動軸=第1胸椎と第5腰椎の棘突起を結ぶ線で、図は基準どおり
✗ 2. 誤り
頸部屈曲
移動軸は外耳孔と頭頂を結ぶ線だが、図の細線は頭頂を通っておらず基準と一致しない
✗ 3. 誤り
肩甲帯挙上
基本軸は左右の肩峰を結ぶ線だが、図は脊柱に沿う垂直線で描かれており誤り
✓ 4. 正しい
手屈曲
基本軸=橈骨、移動軸=第2中手骨で、前腕中間位のまま掌屈させており基準どおり
✗ 5. 誤り
母指橈側外転
手掌面内の運動のはずが、図は手掌面に垂直な掌側外転の運動面で描かれており誤り
ポイント
  • ROMは基本軸・移動軸・基本肢位を基準法どおり設定
  • 隣接関節の肢位を規定し代償運動を排除
  • 参考可動域と運動方向を正確に理解する
比較表
ROM測定の基本軸・移動軸の例
関節運動基本軸移動軸
肩関節屈曲・伸展肩峰を通る床への垂直線上腕骨
肘関節屈曲・伸展上腕骨橈骨
股関節屈曲・伸展体幹と平行な線大腿骨
膝関節屈曲・伸展大腿骨腓骨
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