学習トップ理由で解く 理学療法士第12章 ▸ 一般 / QP56P032

理由で解く 理学療法士

QP56P032 理学療法治療学

出典:第56回理学療法士国家試験(2021)午後 問32
問題
松葉杖歩行を行うために必要な機能と上肢の筋との組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 体重支持 ― 上腕二頭筋
2 握り手の把持 ― 橈側手根伸筋
3 脇当ての固定 ― 大胸筋
4 松葉杖の前方への振り出し ― 肩甲下筋
5 握り手を握ったときの手関節の固定 ― 浅指屈筋
解答
正解3(脇当ての固定 ― 大胸筋)
解説

脇当てを体側に固定して松葉杖を安定させるのは肩関節内転筋である大胸筋(と広背筋)。体重支持は肘伸展の上腕三頭筋が担う。

松葉杖歩行では、脇当て(腋窩当て)を腋窩ではなく側胸壁に押しつけて体幹との間で杖を固定する。この肩内転・杖の体側への引きつけを行うのが大胸筋と広背筋である。体重を杖に載せて身体を持ち上げる支持相では肘を伸展位に保つ必要があり上腕三頭筋が働く(上腕二頭筋ではない)。握り手(グリップ)の把持は手指屈筋(浅指・深指屈筋)が、握った際の手関節を安定させる固定は手根伸筋(橈側手根伸筋など)が担う。前方への振り出しは肩関節屈曲筋(三角筋前部・大胸筋鎖骨部)による。以上より正しい組合せは3。

✗ 1. 誤り
体重支持 ― 上腕二頭筋
体重支持は肘伸展を保つ上腕三頭筋の働き。上腕二頭筋は肘屈曲筋で誤
✗ 2. 誤り
握り手の把持 ― 橈側手根伸筋
把持(握る動作)は手指屈筋。橈側手根伸筋は手関節背屈筋で役割が逆
✓ 3. 正しい
脇当ての固定 ― 大胸筋
肩内転で杖を体側に固定するのは大胸筋(広背筋も)。正しい
✗ 4. 誤り
松葉杖の前方への振り出し ― 肩甲下筋
前方振り出しは肩屈曲筋の働き。肩甲下筋は肩内旋筋で誤
✗ 5. 誤り
握り手を握ったときの手関節の固定 ― 浅指屈筋
手関節を固定するのは手根伸筋。浅指屈筋は手指屈筋で誤
ポイント
  • 脇当ての固定=大胸筋・広背筋(肩内転)
  • 体重支持=上腕三頭筋(肘伸展保持)
  • 把持=手指屈筋、手関節固定=手根伸筋
比較表
松葉杖歩行に必要な機能と主動筋
機能主に働く筋
体重支持(肘伸展保持)上腕三頭筋
脇当ての固定(肩内転)大胸筋・広背筋
握り手の把持浅指・深指屈筋
握った際の手関節固定橈側手根伸筋など手根伸筋
杖の前方振り出し(肩屈曲)三角筋前部・大胸筋鎖骨部
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