学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP56P019

理由で解く 理学療法士

QP56P019 理学療法評価学

出典:第56回理学療法士国家試験(2021)午後 問19
問題
74歳の女性。6か月前に左被殻出血を発症して、軽度の右片麻痺を呈している。くしを歯ブラシのように使おうとしたり、スプーンの柄に食物を乗せようとする行動がみられた。この患者の症状はどれか。
選択肢
1 観念失行
2 構成失行
3 着衣失行
4 観念運動失行
5 肢節運動失行
解答
正解1(観念失行)
解説

道具の用途・使用方法を誤る物品使用障害は観念失行。

観念失行は、単一物品の用途や一連の道具使用の概念(使用手順・目的)が障害され、道具を正しく使えなくなる失行である。『くしを歯ブラシのように使う』『スプーンの柄に食物を乗せる』は、対象物と用途の対応が崩れた典型的な物品使用の誤りで、観念失行に該当する。左半球(優位半球)病変で生じやすく、本症例の左被殻出血と矛盾しない。観念運動失行が『命令下でのパントマイムはできないが自動的にはできる』障害であるのに対し、観念失行は実際の物品操作そのものが障害される点で区別する。

✓ 1. 正しい
観念失行
道具の用途・使用手順を誤る物品使用障害で、本症例の行動に合致
✗ 2. 誤り
構成失行
図形の模写や組み立てなど空間的構成の障害で、物品使用の誤りではない
✗ 3. 誤り
着衣失行
衣服の着脱が困難になる障害で、右頭頂葉病変で多い
✗ 4. 誤り
観念運動失行
命令でのジェスチャー・パントマイムができない障害で、実物操作は比較的保たれる
✗ 5. 誤り
肢節運動失行
手指の巧緻性が拙劣になる運動遂行の障害で、用途の誤りではない
ポイント
  • 観念失行=物品の用途・使用手順の障害
  • 優位(左)半球病変で生じやすい
  • 観念運動失行は命令下パントマイム障害で区別
比較表
失行の鑑別
種類特徴
観念失行道具の用途・使用手順を誤る(物品使用障害)
観念運動失行命令下のパントマイムができない
肢節運動失行手指の巧緻運動が拙劣
構成失行模写・構成課題の障害
着衣失行衣服の着脱困難
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