学習トップ理由で解く 理学療法士第12章 ▸ 実地 / QP56A010

理由で解く 理学療法士

QP56A010 理学療法治療学

出典:第56回理学療法士国家試験(2021)午前 問10
問題
52歳の女性。廃用による身体機能の全般的な低下によりバランス能力低下があり、バランス能力の改善を目的とした運動療法を行っている。開始当初、立位保持も困難であったが、現在は立位で物的な介助がなくても左右前後の重心移動が可能となってきている。歩行は平行棒内で両手を支持して軽介助である。次に行うバランス練習として最も適切なのはどれか。
選択肢
1 杖歩行練習
2 上肢支持なしのタンデム歩行練習
3 上肢支持なしの立位で外乱を加える練習
4 片側上肢を支持した立位で下肢のステップ練習
5 両上肢でボールを保持しながら立位重心移動練習
解答
正解4(片側上肢を支持した立位で下肢のステップ練習)
解説

バランス練習は難易度を段階的に上げる。現状(自立立位で重心移動可・歩行は両手支持軽介助)より一段だけ難しく、かつ安全な『片手支持での下肢ステップ』が適切。

バランス練習は支持基底面を狭く・支持を減らし・課題を動的にすることで段階的に難易度を上げる。本例は独立立位で随意的な重心移動は可能になったが、歩行はまだ平行棒内で両手支持・軽介助のレベルである。次の段階としては、片側上肢の支持を残して安全を確保しつつ、下肢のステップという動的で片脚支持を要する課題へ進めるのが妥当で、現状より一段だけ難易度を上げた漸増となる。上肢支持なしの外乱応答やタンデム歩行、杖歩行は現段階では難度が高く転倒リスクが大きい。両上肢でボールを保持した重心移動は既にできる課題と同等かむしろ易しく、進歩に乏しい。したがって片側上肢を支持した立位での下肢ステップ練習が最も適切である。

✗ 1. 誤り
杖歩行練習
歩行がまだ両手支持・軽介助の段階では時期尚早で転倒リスクが高い
✗ 2. 誤り
上肢支持なしのタンデム歩行練習
支持基底面が極端に狭く高難度。現段階では危険で不適
✗ 3. 誤り
上肢支持なしの立位で外乱を加える練習
上肢支持なしでの外乱応答は現状より難度が高すぎ、転倒リスクが大きい
✓ 4. 正しい
片側上肢を支持した立位で下肢のステップ練習
安全を確保しつつ動的・片脚支持課題へ一段階進める適切な漸増
✗ 5. 誤り
両上肢でボールを保持しながら立位重心移動練習
既に自立で重心移動が可能なため難度が低く、進歩につながりにくい
ポイント
  • バランス練習は支持を減らし・支持基底面を狭め・動的にして漸増
  • 現状(自立立位・重心移動可、歩行は両手支持軽介助)の一段上を選ぶ
  • 安全確保(片手支持)しつつ動的なステップ課題へ進める
比較表
バランス課題の難易度段階
段階課題例
両手支持立位・立位重心移動
片手支持での下肢ステップ・片脚支持
支持なし外乱応答・タンデム歩行・杖/独歩
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