学習トップ理由で解く 理学療法士第12章 ▸ 実地 / QP56A011

理由で解く 理学療法士

QP56A011 理学療法治療学

出典:第56回理学療法士国家試験(2021)午前 問11
問題
健常成人に対して自転車エルゴメーターを用いて10Wattsから開始し、1分間に15Watts増加させるランプ負荷法で自覚的最大運動強度まで運動負荷を行った。その際の呼吸循環代謝指標の変化を図に示す。縦軸は一回拍出量、横軸は時間経過を示す。一回拍出量の変化を示すのはどれか。
図
選択肢
1 1
2 2
3 3
4 4
5 5
解答
正解1(1)
解説

一回拍出量は運動開始で増加するが中等度強度で頭打ち(プラトー)となるため、上昇後に平坦化するグラフ1が正しい。

ランプ負荷による漸増運動では、一回拍出量は運動開始とともに増加するが、増加は運動強度が中等度(およそ最大酸素摂取量の40〜50%程度)に達するまでで、それ以上の高強度では心拍数の増加による拡張期短縮などにより頭打ち(プラトー)となり、ほぼ一定に保たれる(人によっては最大負荷付近でわずかに低下する)。したがって、立ち上がった後に頭打ちとなる飽和型曲線を示すグラフ1が一回拍出量の変化を表す。これに対し、終了時まで直線的に増え続けるグラフ5は心拍数・酸素摂取量など負荷に比例する指標、終盤に急上昇するグラフ2・3は換気量や血中乳酸のように閾値を超えて急増する指標に相当するパターンで、いずれも中等度で頭打ちになる一回拍出量とは形状が合わない。グラフ4も終了時まで上昇を続けプラトーに達しないため該当しない。

✓ 1. 正しい
1
一回拍出量は運動開始とともに増加するが、運動強度が中等度(およそ最大酸素摂取量の40〜50%)に達すると頭打ち(プラトー)となり、以後高強度まで大きく増えずほぼ一定〜終盤わずかに低下する。この飽和型曲線が一回拍出量の典型的変化を示す
✗ 2. 誤り
2
運動開始後に直線的に上昇したのち折れ点を経て終盤に急峻に立ち上がる。一回拍出量のような中等度でのプラトーを示さないため該当しない
✗ 3. 誤り
3
終盤に急上昇する凹型曲線で、換気量や血中乳酸のように無酸素性代謝閾値を超えて急増する指標のパターンに近く、頭打ちする一回拍出量とは形状が異なる
✗ 4. 誤り
4
立ち上がり後も傾きを緩めながら終了時まで上昇し続け、明確なプラトーに達しない。中等度で頭打ちになる一回拍出量とは異なる
✗ 5. 誤り
5
運動終了時まで負荷に比例して直線的に増え続ける。心拍数や酸素摂取量のように運動強度に応じて漸増する指標のパターンであり、頭打ちする一回拍出量には該当しない
ポイント
  • 一回拍出量は運動初期に増加し中等度負荷でプラトー
  • 以後の心拍出量増加は心拍数で担う
  • 心拍数・酸素摂取量は負荷に比例して直線的に増加
比較表
漸増運動負荷での循環代謝指標の変化
指標運動負荷に伴う変化
心拍数ほぼ直線的に増加
一回拍出量初期に増加し中等度でプラトー
心拍出量直線的に増加
酸素摂取量直線的に増加
収縮期血圧増加、拡張期はほぼ不変
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