学習トップ理由で解く 理学療法士第12章 ▸ 実地 / QP56A005

理由で解く 理学療法士

QP56A005 理学療法治療学

出典:第56回理学療法士国家試験(2021)午前 問5
問題
正中神経麻痺による猿手変形に対する上肢装具はどれか。
図
選択肢
1 1
2 2
3 3
4 4
5 5
解答
正解5(5)
解説

正中神経麻痺による猿手(母指対立障害)には、母指を対立位に保持する対立装具(図5)を用いる。

正中神経麻痺では母指球筋(短母指外転筋・母指対立筋など)が麻痺し母指対立ができなくなり、母指が手掌面と同一平面に落ち込む「猿手(ape hand)」変形をきたす。この対立障害を代償するには、母指を指に向かい合う対立(掌側外転)位に保持する対立装具(オポーネンススプリント)が適応となる。図5は手背側のバンドと母指の水かき部に入るC字状の支持体で母指を対立位に保ちており、これに合致する。図1は母指が平坦なままの静的手関節装具、図2〜4は指へアウトリガーやバネで牽引する動的装具(指伸展補助など)であり、いずれも母指対立を保持する構造をもたないため猿手変形の代償には適さない。したがって正答は5。

✗ 1. 誤り
1
静的手関節(コックアップ)装具:母指は平坦に置かれ対立位を保持していないため、母指対立機能を代償できず猿手変形には不適
✗ 2. 誤り
2
指方向へアウトリガーが伸びる動的装具で母指対立を保持する構造がなく不適
✗ 3. 誤り
3
バネ/ワイヤのループで手部を牽引する装具で母指対立保持の構造がなく不適
✗ 4. 誤り
4
複数のバネで各指を伸展方向へ牽引する指伸展補助であり、母指対立とは目的が異なる
✓ 5. 正しい
5
手背バンドとC字支持で母指を対立位(指に向かい合う位置)に保持しており、母指対立が失われる猿手変形に適合する
ポイント
  • 正中神経麻痺→母指球筋麻痺→猿手(母指対立不能)
  • 対策=対立装具(オポーネンス・スプリント)で母指対立位保持
  • 下垂手(橈骨神経)にはコックアップ装具で鑑別
比較表
末梢神経麻痺と変形・装具
神経変形装具
正中神経猿手対立装具
尺骨神経鷲手MP屈曲補助装具(ナックルベンダー)
橈骨神経下垂手コックアップ装具
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