学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP56A008

理由で解く 理学療法士

QP56A008 理学療法評価学

出典:第56回理学療法士国家試験(2021)午前 問8
問題
6歳の男児。潜在性二分脊椎。足部の変形を図に示す。MMTを行ったところ、大腿四頭筋の筋力は5、内側ハムストリングスは3、前脛骨筋は3、後脛骨筋は2であった。Sharrardの分類による障害レベルはどれか。
図
選択肢
1 Ⅰ群
2 Ⅱ群
3 Ⅲ群
4 Ⅳ群
5 Ⅴ群
解答
正解3(Ⅲ群)
解説

Sharrardの分類は「最も遠位で完全に働く主要筋」で群を決める。大腿四頭筋(L3-4)が働けばⅢ群、前脛骨筋(L4-5)まで完全に働けばIV群。本問は四頭筋5に対し前脛骨筋が3(不完全)なので、境界はL4-L5=Ⅲ群。図の足部変形は病態と矛盾しないが、群判定はMMT値で行う点が要点。

Sharrardの分類は、機能が残存する最下位の脊髄髄節(=最も遠位で有効に働く筋)で麻痺レベルを判定する。覚え方の目安は「II群=腸腰筋、Ⅲ群=大腿四頭筋、IV群=前脛骨筋、V群=下腿三頭筋」。本児のMMTは大腿四頭筋(L3〜4支配)が5で完全に機能し膝伸展が可能。一方、より遠位のL4〜L5支配筋である前脛骨筋は3、内側ハムストリングスは3、後脛骨筋は2と部分的〜不十分にとどまり、L4/L5より遠位は麻痺している。したがって完全に働く最下位の主要筋が大腿四頭筋であるため、残存レベルは下位腰髄(L3〜L4/L5)に相当し、Sharrardの分類ではⅢ群となる。図の足部変形(前上方からみた両足の変形)は二分脊椎の下肢筋不均衡に伴う所見で診断・病態と矛盾しないが、群の判定自体はMMT値から行う。よって正答はⅢ群。

✗ 1. 誤り
Ⅰ群
I群(高位腰髄以上・L2レベル以上の麻痺):腸腰筋・大腿四頭筋を含む下肢筋がほぼ全て麻痺し股関節屈曲も不能なレベル。本児は大腿四頭筋MMT5で膝伸展が保たれており該当しない
✗ 2. 誤り
Ⅱ群
II群(L3レベル残存):腸腰筋・股関節内転筋・縫工筋が働くが大腿四頭筋は不完全で膝伸展が実用的でないレベル。本児は四頭筋が完全(MMT5)で、これより上位ではない
✓ 3. 正しい
Ⅲ群
Ⅲ群(下位腰髄・L3〜L4/L5レベル残存):大腿四頭筋が完全に機能し(MMT5・膝伸展可能)、L4〜L5支配の前脛骨筋・内側ハムストリングスが部分残存(MMT3)、後脛骨筋(2)や足底屈筋はさらに弱い。最も遠位で完全に働く主要筋が大腿四頭筋であり本児のMMTパターンに一致
✗ 4. 誤り
Ⅳ群
IV群(L5〜S1レベル残存):前脛骨筋がしっかり機能し中殿筋・後脛骨筋・長趾伸筋なども働くレベル。本児は前脛骨筋3・後脛骨筋2と低下し、この群ほど遠位は保たれていない
✗ 5. 誤り
Ⅴ群
V群(S1〜S2以下残存):下腿三頭筋(足底屈)・大殿筋・長母趾屈筋まで機能しほぼ正常歩行に近いレベル。本児は足関節底屈・内反筋が弱く該当しない
ポイント
  • Sharrard分類=残存筋の支配髄節で二分脊椎の運動レベルを判定
  • 大腿四頭筋(L2〜4)強+前脛骨筋(L4〜5)可+後脛骨筋弱→L4〜L5=III群
  • 上位群ほど重度、下位群ほど残存機能が多い
比較表
Sharrardの障害レベル分類(概要)
レベル残存する主な筋
I群胸髄〜L1下肢ほぼ麻痺
II群L2〜L3腸腰筋・内転筋・大腿四頭筋
III群L4〜L5+内側ハムストリングス・前脛骨筋
IV群L5〜S1+中殿筋・腓骨筋・後脛骨筋
V群S1〜S2以下+下腿三頭筋・足内在筋
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 理学療法士
App Store入手