学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP55P007

理由で解く 理学療法士

QP55P007 理学療法評価学

出典:第55回理学療法士国家試験(2020)午後 問7
問題
8か月の男児。脳性麻痺による痙直型四肢麻痺。腹臥位で図のような姿勢を示す。影響しているのはどれか。
図
選択肢
1 緊張性迷路反射
2 屈筋逃避反射
3 非対称性緊張性頸反射
4 Moro反射
5 Landau反射
解答
正解1(緊張性迷路反射)
解説

緊張性迷路反射(TLR)は頭部(迷路)の位置で全身の筋緊張が変化する反射で、腹臥位(前傾)では屈筋緊張が優位となり四肢を屈曲した姿勢をとる。

緊張性迷路反射(TLR)は内耳前庭(迷路)が感受する頭部の空間的位置に応じて全身の筋緊張を変化させる姿勢反射である。背臥位(仰向け)では伸筋緊張が高まり四肢が伸展位に、腹臥位(うつ伏せ)では屈筋緊張が高まり四肢が屈曲した姿勢をとる。脳性麻痺では本来生後数か月で統合されるはずの原始反射・姿勢反射が残存・亢進し、随意運動や姿勢保持を妨げる。腹臥位で四肢が屈曲した特徴的姿勢を示していることから、影響しているのは緊張性迷路反射である。非対称性緊張性頸反射(ATNR)は頭部回旋に伴う左右非対称の肢位を示す点で区別される。

✓ 1. 正しい
緊張性迷路反射
腹臥位で屈筋緊張優位となり四肢屈曲姿勢を示す、本症例に合致
✗ 2. 誤り
屈筋逃避反射
侵害刺激で下肢を引っ込める防御反射で、姿勢全体の緊張パターンとは異なる
✗ 3. 誤り
非対称性緊張性頸反射
非対称性緊張性頸反射(ATNR):頭部回旋方向で左右非対称の四肢肢位をとる反射で、腹臥位の対称的屈曲姿勢とは異なる
✗ 4. 誤り
Moro反射
頭部の落下様刺激で上肢を外転・伸展後に抱え込む反射で、本姿勢と無関係
✗ 5. 誤り
Landau反射
腹臥位で体幹を支えると頭部・体幹・下肢が伸展する立ち直り系反応で、屈曲姿勢とは逆
ポイント
  • TLR:腹臥位=屈筋優位、背臥位=伸筋優位
  • 頭部(迷路)の位置で全身筋緊張が変化
  • 脳性麻痺では反射の残存・亢進が運動を阻害
  • ATNRは頭部回旋に伴う非対称肢位で区別
比較表
主な原始反射・姿勢反射
反射誘発反応
緊張性迷路反射(TLR)頭部位置(腹臥位/背臥位)腹臥位で屈曲、背臥位で伸展
ATNR頭部の回旋顔面側伸展・後頭側屈曲(非対称)
Moro反射頭部落下様刺激上肢外転伸展→抱え込み
Landau反射腹臥位で水平懸垂頭・体幹・下肢の伸展
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