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理由で解く 理学療法士

QP55A027 理学療法評価学

出典:第55回理学療法士国家試験(2020)午前 問27
問題
「歯を磨くまねをしてください」という口頭命令ではうまくできないが、自発的には歯磨きができる状態はどれか。
選択肢
1 観念失行
2 拮抗失行
3 構成失行
4 観念運動失行
5 肢節運動失行
解答
正解4(観念運動失行)
解説

命令に応じたパントマイム(意図的運動)ができないが、実際の場面での自動的動作は保たれる乖離が観念運動失行の特徴。

失行の鑑別問題。観念運動失行では、道具なしで動作をまねる(パントマイム)などの意図的・命令下の運動が障害される一方、日常場面で自然に行う自動的・慣習的動作は保たれる『自動–意図の乖離』がみられる。設問の『歯磨きのまねは命令ではできないが自発的にはできる』はまさにこの乖離を示す。観念失行は道具の使用・一連の動作系列の障害、構成失行は空間的構成の障害、肢節運動失行は巧緻性の低下、拮抗失行は脳梁離断による一側手の不随意な拮抗運動であり、いずれも設問の特徴に合致しない。

✗ 1. 誤り
観念失行
物品使用や一連の動作手順が障害される。単一動作のまねの障害とは異なる
✗ 2. 誤り
拮抗失行
脳梁離断で一方の手が他方に拮抗して動く。命令–自発の乖離ではない
✗ 3. 誤り
構成失行
図形模写など空間的構成が障害される
✓ 4. 正しい
観念運動失行
命令下のパントマイムは不可だが自動的動作は保たれる乖離が特徴、正しい
✗ 5. 誤り
肢節運動失行
拙劣で巧緻性が低下するが、命令–自発の乖離は特徴でない
ポイント
  • 観念運動失行=自動–意図の乖離
  • 命令下のパントマイム不能・自然な動作は可能
  • 観念失行は道具使用・動作系列の障害
比較表
失行の鑑別
種類特徴
観念運動失行命令下のまね(意図運動)が不能、自動運動は保たれる
観念失行道具使用・一連の動作系列の障害
構成失行図形模写など空間的構成の障害
肢節運動失行巧緻運動の拙劣・稚拙化
拮抗失行脳梁離断による一側手の拮抗運動
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