学習トップ理由で解く 理学療法士第12章 ▸ 実地 / QP55A018

理由で解く 理学療法士

QP55A018 理学療法治療学

出典:第55回理学療法士国家試験(2020)午前 問18
問題
32歳の女性。2週前に上気道炎を発症し、5日前から四肢末端の異常感覚を自覚した。その後、徐々に四肢の脱力を認めた。Guillain-Barré症候群と診断され、直ちにγ-グロブリン大量静注療法を開始した。入院時の四肢筋力はMMTで段階4であったが、入院2日後には顔面筋麻痺と構音・嚥下障害が出現し、翌日には痰が多く呼吸困難が出現したため、気管挿管され人工呼吸器管理となった。四肢筋力は近位筋で段階1、その他は段階2〜3に低下している。現時点で優先される治療はどれか。
選択肢
1 機能的電気刺激
2 筋力増強運動
3 座位練習
4 自発呼吸練習
5 排痰練習
解答
正解5(排痰練習)
解説

急性増悪期で呼吸筋麻痺・嚥下障害・痰貯留があり人工呼吸器管理中。無気肺・肺炎を防ぐ排痰(気道クリアランス)が最優先。

本例はGuillain-Barré症候群が急速に進行し、球麻痺(構音・嚥下障害)と呼吸筋麻痺をきたして人工呼吸器管理となった急性増悪期にある。嚥下障害と喀痰喀出力の低下により気道分泌物が貯留し、無気肺や誤嚥性・沈下性肺炎のリスクが高い。この時期に最優先されるのは体位ドレナージや徒手的呼吸介助などによる排痰(気道クリアランス)である。麻痺が進行している時期の筋力増強運動は過用性の筋力低下を招くため避け、自発呼吸練習は呼吸筋麻痺が進行し人工呼吸器管理中の現段階では時期尚早、座位練習・機能的電気刺激も優先度は低い。したがって排痰練習が正しい。

✗ 1. 誤り
機能的電気刺激
急性増悪期の優先課題ではない
✗ 2. 誤り
筋力増強運動
麻痺進行期の過負荷は過用性筋力低下を招き禁忌的
✗ 3. 誤り
座位練習
呼吸・全身状態が不安定な現段階では時期尚早
✗ 4. 誤り
自発呼吸練習
呼吸筋麻痺が進行し人工呼吸器管理中で、まだ行う段階ではない
✓ 5. 正しい
排痰練習
痰貯留による無気肺・肺炎を防ぐ気道クリアランスが最優先
ポイント
  • 先行感染後の上行性・対称性弛緩性麻痺=GBS
  • 急性増悪期は呼吸管理・排痰が最優先
  • 麻痺進行期の筋力増強運動は過用に注意
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