学習トップ理由で解く 理学療法士第12章 ▸ 実地 / QP55A017

理由で解く 理学療法士

QP55A017 理学療法治療学

出典:第55回理学療法士国家試験(2020)午前 問17
問題
55歳の女性。8年前に多発性硬化症と診断され、再発や寛解を繰り返し、2回の入院歴がある。現在は症状が落ち着いており、訪問理学療法で屋外歩行練習が実施されている。その際、理学療法士は運動強度を軽度から中等度とし、かつ、外気温の高い時間帯を避けて実施するなどに留意している。この理由として関係するのはどれか。
選択肢
1 Barré徴候
2 Horner徴候
3 Lhermitte徴候
4 Tinel徴候
5 Uhthoff徴候
解答
正解5(Uhthoff徴候)
解説

多発性硬化症では体温上昇(運動・入浴・発熱・暑熱)で神経症状が一過性に悪化するUhthoff現象がある。運動強度を抑え暑い時間帯を避けるのはこのため。

多発性硬化症では脱髄した神経線維の伝導が体温上昇に脆弱で、運動・入浴・発熱・高い外気温などで深部体温が上がると視力低下や疲労、筋力低下など既存の神経症状が一過性に悪化する。これをUhthoff現象という。冷却で速やかに回復する可逆的な変化であるため、屋外歩行練習では運動強度を軽度〜中等度に抑え、外気温の高い時間帯を避けて体温の過度な上昇を防ぐ配慮が重要となる。したがって本例の留意点に直接関係するのはUhthoff徴候である。

✗ 1. 誤り
Barré徴候
軽度の錐体路障害(上肢・下肢のバレー徴候)を検出する所見で体温とは無関係
✗ 2. 誤り
Horner徴候
頸部交感神経障害による縮瞳・眼瞼下垂・発汗低下で本例と無関係
✗ 3. 誤り
Lhermitte徴候
頸部前屈で背部〜四肢に電撃痛。MSでもみられるが体温上昇とは関係しない
✗ 4. 誤り
Tinel徴候
末梢神経の絞扼・再生を叩打で調べる所見で無関係
✓ 5. 正しい
Uhthoff徴候
体温上昇で症状が一過性に悪化する現象で、運動強度・暑熱回避の理由に一致
ポイント
  • Uhthoff現象=体温上昇でMS症状が一過性悪化
  • 運動・入浴・発熱・高外気温が誘因、冷却で回復
  • 運動療法は強度を抑え暑熱を避け体温管理を行う
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