学習トップ理由で解く 理学療法士第4章 ▸ 一般 / QP54P091

理由で解く 理学療法士

QP54P091 臨床医学大要

出典:第54回理学療法士国家試験(2019)午後 問91
問題
重症筋無力症で正しいのはどれか。
選択肢
1 胸腺の異常を伴うことが多い。
2 Parkinson病より患者数が多い。
3 テンシロン試験で症状が悪化する。
4 血清クレアチンキナーゼが上昇する。
5 誘発筋電図の反復刺激試験で振幅の漸増を認める。
解答
正解1(胸腺の異常を伴うことが多い。)
解説

重症筋無力症は神経筋接合部(アセチルコリン受容体)に対する自己抗体による疾患で、胸腺腫・胸腺過形成など胸腺異常を高頻度に合併する。

重症筋無力症(MG)はアセチルコリン受容体(AChR)に対する自己抗体が終板の受容体を障害し、易疲労性の筋力低下(反復動作で悪化=日内変動)をきたす自己免疫疾患である。胸腺は自己抗体産生に関与し、MG患者の約70〜80%に胸腺過形成、約10〜20%に胸腺腫を認めるため、胸腺摘除が治療選択肢となる。抗コリンエステラーゼ薬(エドロホニウム=テンシロン)投与で神経筋接合部のACh濃度が上がり症状は一時的に改善する。反復刺激試験(低頻度3Hz)では終板電位の減衰により複合筋活動電位振幅は漸減(waning)する点が特徴で、漸増は Lambert-Eaton 症候群でみられる所見である。

✓ 1. 正しい
胸腺の異常を伴うことが多い。
胸腺過形成・胸腺腫を高頻度に合併し胸腺摘除の適応となる
✗ 2. 誤り
Parkinson病より患者数が多い。
MGの有病率は10万人あたり十数人程度で、Parkinson病の方がはるかに多い
✗ 3. 誤り
テンシロン試験で症状が悪化する。
抗コリンエステラーゼ薬でAChが増え症状は改善する
✗ 4. 誤り
血清クレアチンキナーゼが上昇する。
筋自体の壊死はなくCKは正常。CK上昇は筋炎・筋ジストロフィーの所見
✗ 5. 誤り
誘発筋電図の反復刺激試験で振幅の漸増を認める。
MGは漸減(waning)。漸増はLambert-Eaton症候群
ポイント
  • MG=AChR抗体による神経筋接合部疾患、易疲労性・日内変動
  • 胸腺異常(過形成・胸腺腫)を高頻度に合併
  • 反復刺激試験で漸減(waning)、テンシロン試験で改善
  • 漸増(waning増強)はLambert-Eaton症候群
比較表
重症筋無力症 vs Lambert-Eaton筋無力症症候群
項目重症筋無力症(MG)Lambert-Eaton症候群(LEMS)
障害部位終板側AChR(シナプス後)神経終末Ca²⁺チャネル(シナプス前)
反復刺激試験漸減(waning)漸増(waxing)
運動反復での筋力悪化(易疲労)一時的に改善
合併・背景胸腺腫・胸腺過形成小細胞肺癌など傍腫瘍性
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