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理由で解く 理学療法士

QP54P013 理学療法治療学

出典:第54回理学療法士国家試験(2019)午後 問13
問題
75歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。発症後1か月で回復期リハビリテーション病棟に転棟した。平行棒内歩行にて立脚相で図のような状況を呈した。立位歩行練習時の患側への対応で適切でないのはどれか。
図
選択肢
1 踵部の補高
2 短下肢装具の使用
3 膝屈曲位での立位保持練習
4 前脛骨筋の治療的電気刺激
5 下腿三頭筋へのタッピング
解答
正解5(下腿三頭筋へのタッピング)
解説

図は立脚相での反張膝・尖足傾向を示す。下腿三頭筋(底屈筋)へのタッピングは痙性・底屈を助長し、尖足と反張膝を悪化させるため不適切。

片麻痺の立脚相では、下腿三頭筋の痙性による尖足(足関節底屈)と、それに伴う膝の反張(back knee/過伸展)がしばしばみられる。治療の原則は、過剰な底屈方向のトルクを抑え、背屈筋を促通し、装具や補高で足部・膝のアライメントを整えることである。踵部補高や短下肢装具は尖足を制動して足底接地を助け、膝屈曲位での立位保持は反張膝の抑制練習になる。前脛骨筋への電気刺激は背屈を促し尖足を軽減する。一方、下腿三頭筋(底屈筋)へのタッピングは、すでに亢進した底屈筋の緊張・活動をさらに促通してしまい、尖足と反張膝を助長するため治療方針に反する。

✗ 1. 正しい
踵部の補高
尖足による相対的な下腿前傾不足を補正し、足底接地と膝屈曲を促す(適切)
✗ 2. 正しい
短下肢装具の使用
足関節底屈を制動し尖足・反張膝を抑制する(適切)
✗ 3. 正しい
膝屈曲位での立位保持練習
反張膝を抑え、適切な膝アライメントを再学習させる(適切)
✗ 4. 正しい
前脛骨筋の治療的電気刺激
背屈筋を賦活し尖足を軽減する(適切)
✓ 5. 誤り
下腿三頭筋へのタッピング
痙性の底屈筋を促通し尖足・反張膝を悪化させる(適切でない=正答)
ポイント
  • 片麻痺立脚相=尖足+反張膝に注意
  • 底屈筋への促通(タッピング)は逆効果
  • 背屈促通・装具・補高でアライメント改善
比較表
反張膝・尖足への対応
対応ねらい
踵部補高/短下肢装具底屈制動・足底接地
膝屈曲位立位保持反張膝抑制
前脛骨筋電気刺激背屈促通
下腿三頭筋タッピング底屈促通(悪化=不適切)
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