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理由で解く 理学療法士

QP54P015 理学療法治療学

出典:第54回理学療法士国家試験(2019)午後 問15
問題
脊髄損傷患者のトランスファーボードを用いた車椅子からベッドへの移乗動作を図に示す。この動作を獲得目標とする機能残存レベルはどれか。
図
選択肢
1 C5
2 C6
3 C7
4 C8
5 T1
解答
正解2(C6)
解説

頭を前下方へ倒す代償(head-hips relationship)でトランスファーボードを用いた移乗を行うのは、手関節背屈が残存し三頭筋を欠くC6の獲得目標。

図は、上腕三頭筋(肘伸展筋)を持たない患者が、頭部・体幹を大きく前下方へ倒し込むことで反対に殿部を挙上させる代償(head-hips relationship)を使い、トランスファーボードを渡して車椅子から移乗している場面である。この「肘を伸展位に固定し手掌で支持しつつ頭を前下方へ倒す」移乗は、手関節背屈(長・短橈側手根伸筋)が残存し肩・上肢で体重を支えられるC6レベルの典型的技術である。C5では手関節背屈・肘伸展を欠き上肢支持ができず移乗は介助レベル、C7以上では上腕三頭筋によりプッシュアップ移乗が可能でボードや深い前傾代償を要しない。したがってトランスファーボードを用いたこの移乗動作を獲得目標とする機能残存レベルはC6である。

✗ 1. 誤り
C5
主要残存筋は上腕二頭筋・三角筋で肘屈曲は可能だが、手関節背屈・肘伸展を欠く。上肢で体重を支持できずボード移乗は困難で移乗は全~中等度介助
✓ 2. 正しい
C6
長・短橈側手根伸筋による手関節背屈(テノデーシス)が加わり、肘を伸展位に固定して手掌支持できる。上腕三頭筋がないため図のように頭部を前下方へ倒す代償(head-hips relationship)でトランスファーボードを用いた移乗が獲得目標となる
✗ 3. 誤り
C7
上腕三頭筋が機能し肘伸展・プッシュアップが可能。ボードを使わないプッシュアップ移乗が目標で、図のような深い前傾代償は不要
✗ 4. 誤り
C8
手指屈筋が機能し把持が可能。移乗はより安定・自立し、ボードは必須でない
✗ 5. 誤り
T1
手内在筋も機能し巧緻性が向上、移乗は完全自立レベル
ポイント
  • C7で上腕三頭筋→プッシュアップ移乗自立
  • C6はトランスファーボードで移乗
  • 移乗自立の鍵は上腕三頭筋の有無
比較表
頸髄損傷レベルと移乗
レベル移乗
C5全介助〜多くの介助
C6トランスファーボード使用で可能
C7プッシュアップで自立(ボード不要)
C8以下自立
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